河出文庫
彩花へ―「生きる力」をありがとう

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  • サイズ 文庫判/ページ数 216p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309406589
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

一九九七年、神戸市須磨区で起きた小学生連続殺傷事件―「神戸少年事件」で犠牲となった山下彩花ちゃん(当時十歳)の母が綴る、生と死の感動のドラマ。少年の凶器に倒れた愛娘との短すぎた生活、娘が命をかけて教えてくれた「生きる力」。絶望の底から希望を見いだし、生き抜こうと決意した母が、命の尊さと輝きを世の中のすべての人に訴える。

目次

誕生
母親
輝く時のなかで
悪夢
生きる力
困惑
百日
「人間」になる道
息子
生と死
秋日
月の光―少し長いあとがき

著者等紹介

山下京子[ヤマシタキョウコ]
1955年、兵庫県神戸市生まれ。97年3月23日、長女・彩花ちゃんを「神戸少年事件」によって亡くす
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

27
読み進めるごとに、涙、涙。神戸連続殺傷事件で大事な娘さんを亡くされたお母さんの手記。なんて深く壮大な内容だろう。恨み辛みだけの本ではなく、むしろ育児のあり方を考えさせる本。これを読むであろう世間の母親に対するメッセージと思える。事件が起こった何ヵ月か後には、この手記を書いている彩花ちゃんのお母さんに比べ、元少年Aがいまだに足踏み状態なのが残念である。2015/06/17

19
その日は職場の会合があり少しお酒も飲んでいました。すると突然妻から電話があり「娘が大怪我をして今救急車で」との内容でした。それから約一週間、毎日病院に付き添い、生きた心地がせず、たくさん泣きました。長女がまだ一歳の頃の話です。そして彼女には今でも頭蓋骨に十センチくらいの亀裂の痕があります。あの一週間はどこまでも深く悲しい時間でした。 娘は今は元気です。 この本の著者は一人の少年のせいで大切な子供を失った。でも著者はそれを受け入れ、前向きにこの本を書いた。どれだけ勇気付けられる人がいるでしょう。感謝です。2016/07/01

たんたん麺

19
なぜ自分がこの世に生まれ、限られた時間を生きて死んでいくのか。その大事なことを誰も教えてくれない世の中になっている。「神戸少年事件」で長女を亡くした母親の手記です。この悲劇を、どうやって「価値」に変えていくのか。この重苦しい現実のなかから、どうやって「希望」を見出していくのか。不信感と憎悪を、どうやって「信頼」に変えていくのか。それが残された者の闘争です。いかなる行きづまりをも打ち破る、自分の内なる「生きる力」に目を開き、耳を傾けなければなりません。2014/05/10

mana

16
たっぷりの愛が詰まっていました。涙が止まりませんでした。当時のことを知らない私でさえ、絶歌を勝手に出版して自己陶酔する元少年Aには本当に腹が立つのに、山下さんご家族は本当にすごいです…。生命の尊さや、生きていく意味、死とは何かを考える機会を彩花ちゃんにもらった…そう思える強さと人間性に感動しました。彩花ちゃん、生きていたらどんな素敵な女性になっていたんだろう…。2019/08/19

MAEDA Toshiyuki まちかど読書会

14
再読しました。このお母さんは本当に素晴らしい方だと思う。2015/06/24

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