内容説明
喫茶店の中で男を射殺して逃げ去った犯人。意外なその行方とは(「街の殺人事件」)。白昼堂々、事務所で弁護士が殺害される。犯人は伝法探偵を含む五人の客の中に…(「5-1=4」)。元刑事で人情に厚い伝法義太郎探偵が、さまざまなトリックに挑む傑作事件簿、ついに刊行!幻の新聞連載中篇二作を加えた全18篇を一挙に収録。
著者等紹介
島久平[シマキュウヘイ]
1911年、大阪市生れ。47年に設立された関西探偵作家クラブの創立メンバーの一人。48年、「街の殺人事件」でデビュー。同年、「夕刊岡山」の探偵小説募集に中篇「悪魔の手」が入選する。50年、「宝石」の懸賞募集に投じた長篇「硝子の家」が第三席に入選。以後、自動車会社に勤務の傍らトリッキーな短篇を次々と発表。後にアクションものやスポーツ推理にも作風を広げた。83年没
日下三蔵[クサカサンゾウ]
1968年、神奈川県生まれ。ミステリ研究家、フリー編集者
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感想・レビュー
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紅はこべ
9
最近メルカトル鮎の短編集に困惑させられたばかりだったので、こういう古風だが、ちゃんと落ちのつく本格はホッとする。ただ伝法義太郎探偵も、金持ちの依頼人からは依頼料はきちんと取り立て、殺人を予想できても防ぐとは限らないのは、メルカトルと似ている。男女間の愛憎に絡んだ事件が多い。ストーカーって昔からいたんだな。2015/04/16
はまちゃん
3
昭和時代に関西方面で活躍した推理小説家 島久平氏の短編集。「〇〇の殺人事件」シリーズの短編5作と他13作が衆力されている。ほとんどの作品で活躍するのが探偵が伝法義太郎であり、ドライなようで情に厚い、「いかにも昭和の探偵!」という感じである。現代では成り立たないような犯罪もあるが、ほとんど気にせずに読むことができた。「雁行くや」と「犯罪の握手」、「女人三重奏」が好み。2018/07/28
kanamori
0
☆☆☆2012/10/15
東森久利斗
0
ノスタルジーとエネルギー。戦後、日本の復興と探偵小説の蜜月時代の足跡、象徴。関西弁の登場しない大阪舞台の物語、最大のミステリー。違和感はないけど・・・2013/04/24