内容説明
「東京は一見、最先端を行く新しい町でありながら、その記憶の古層には、古い物語が無数に埋もれている」(あとがきより)。都電、坂道、水辺、居酒屋、黒白映画、モボ・モガ…記憶の向こうからあらわれてくる東京の淡い幻影を、思い出、文学、映画、街歩きに重ねていく、珠玉のエッセイ集。モダン都市がときどき見せてくれる、静謐で美しい風景を堪能できる。
目次
都電が走っていた頃
下町は工場の町だった
ありふれた町
銀座を通って荒川土手へ
一人になるために町を歩く
坂道に見る文学の風景
東京はときどき美しい
黒白スタンダードに惹かれていた頃
ドイツ映画が好きになった頃
映画に描かれた昭和二十年代〔ほか〕
著者等紹介
川本三郎[カワモトサブロウ]
1944年、東京に生れる。東京大学法学部卒。評論家、作家。91年『大正幻影』(新潮社)でサントリー学芸賞、96年『荷風と東京』(都市出版)で読売文学賞を受賞。文学、映画、都市論を中心に、著書多数
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