内容説明
驚異の名訳ベストセラー、ついに文庫化!―その下巻は、第百八十七段「風は―」から―第二百九十八段「『本当なの?もうすぐ都から下るの?』って言った男に対して」まで。さらに、「本篇あとがき」と、「別のヴァージョン」一から二十七までを併録。
目次
風は―
野分の次の日っていうのが
ちょっと気になるもの―
島は―
浜は―
浦は―
森は―
寺は―
お経は―
仏は―〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山口透析鉄
27
単行本の項目が見つからないので下巻にだけ記事を載せておきます。 橋本治氏のこれを読んだのは高校生の頃だったと記憶しています。当時の古典をこういう大胆な口語に翻訳したのは、本当にあっぱれでした。ずっと読んでいると疲れるんで、少しずつ読んだような。 橋本治氏は結構、文豪だったようには思いますが、生前にはあまり読めず、これから読みたい1人です。1988/03/05
てらこ
18
やっと下巻へ。『枕草子』を書き始めたきっかけや、タイトルの由来に触れたあとがきも面白かった。全巻通して「〇〇って素敵!」と平安貴族のキラキラ感が綴られる中、主人・定子の悲運を思わせるエピソードがチラッと入るのが切ない。。いろいろ大変だけどたくましく生きてたわよ!という姐御肌な"橋本版"清少納言の語りが、千年前の日常を生き生きと感じさせてくれました。2020/04/05
ペミカン
6
ここまで来たら!と、ずっと気になっていた橋本さんの枕草子を一気読み。一言 何故これまで読まなかったのか!ってくらい感動した!橋本さんの心意気に。「同じ日本語なのに何故分からないか」という素直な疑問に10年以上体当たりしてくれた、そのギャル語(古)清少納言エッセイ。三十一文字すら殆どその字数を死守し、清少納言になりきっての長い註文。王朝貴族のさして面白くないモノだが、1000年前の人と世の中が生き生きと浮かんできて快感だった。2023/03/16
rors(セナ)
5
上・中・下と3冊にわたる橋本治さんのギャル語(?)で現代語訳された、1000年前のエッセイ「枕草子」を読み終えた。今(現代)と本当に何も変わらない。 読み辛く感じていたギャル語も下巻ではずいぶん慣れて、しかも怒涛の注釈を読むことによって平安時代に超詳しくなりスムーズに読み終えた。第百八十八段の野分の次の日がとても好き。光景が目に浮かぶ。 執筆過程を書いたあとがきも面白かったー! 読書メーターでフォローしているgenさんからのおすすめの本でした。本当に読んで良かった。2020/10/28
キーにゃん@絶対ガラケー主義宣言
3
10年ががりのお仕事、ありがとうございます。註がすてき。高校時代にあったら良かったのにねぇ。平安時代って平和、そりゃそうだ、あんな歌ばっか詠んでいられたんだもん。2018/03/08