内容説明
「私は猫。作家夫婦に飼われています。人間達が織りなすドラマを皆様にお見せしましょう―」猫の視点から見た人間の社会を、ユーモラスにそして辛辣に描く爽やかな長篇連作八篇。曾野文学のもう一つの魅力にせまる感動作。
目次
或る朝、突然に
枝垂れ桜の家
律儀な人々
貧乏人のお茶
借景の中の人物
この青空の果てなきかなた
夢の家族旅行
月光のチータ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ayko
3
ボタ子の視点を借りて語られる曾野さんのエッセイ(?)。日常的な話題はいいんだけど、後半のアフリカの話題が結構長かったので、こういう話題なら敢えて猫の視点にしないほうがいいんじゃないかと思った。2014/02/07
なおり
2
「吾輩は猫である」でも突き放して人間を見切れないボタ子。曾野さんの目を通してみた世間を楽しみました。2013/11/13
けいちか
1
実際の曽野綾子さんと三浦朱門夫婦をパロディ化しているような作家夫婦に飼われているボタ子という猫が書いた体裁を取っているエッセイ。曽野綾子さんの仕事の関係で、どうしてもアフリカでのNPO活動の話とかが多く、ちょっと予想していたのとは違う内容だった。猫仲間は1匹しか出てこないし、家族との関係も曖昧過ぎるように思われる。しかし外飼いの猫はこんなものかもしれない。2010/04/12
のん
1
見た目のバランスが悪いからという理由でボタ子と名付けられたことに不満なボタ子。猫にとっては無意味でしかない人間のごちゃごちゃした事情をバッサリと切り捨てる。とともに、猫の目を通して、人間の不器用な思いや、一生懸命な姿がえががれ、人間もいいもんだな、とほわっと思わせてくれる。