河出文庫<br> 雷電本紀

河出文庫
雷電本紀

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 512p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309404868
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

江戸中期、彗星の如く現われた巨人が相撲をかえた。魔物のように全力で相手に躍りかかるその姿に悪政と飢饉にあえぐ民衆は自らの運命を託す―壮大なスケールで稀代の相撲人・雷電為右衛門の運命とその時代を描き出した巨篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

DK

2
寛政から文化までの21年の江戸大相撲で、わずか10敗のみという戦績を残した稀代の相撲人・雷電為右衛門の伝記にして、彼が生きた江戸時代を活写する歴史小説でもある。圧倒的な力によってそれまでの相撲の姿を一変させ、人々の心を掴み、もっと大きなものと相撲っていた数々のエピソードは静かに心を震わす凛とした力を感じさせてくれる。ただ強いだけではない相撲人としての人生は死して尚、輝き続けることは間違いない。2010/05/14

聖月

1
◎◎時代が主役と書いたが、当時の時代背景を挙げると、江戸では無宿者を取り締まっており、時をあけず大火が江戸の町を焼き尽くしていた時代である。最初、なぜ無宿者を取り締まるのかが判然としなかった評者であるが、読み進めるうちに段々と理解した。当時、信濃などでは米の買い占めに対して一揆が起こったりしており、最終的に壊滅に追い込まれた一揆に加担した農民などが、自分の村に帰れず、江戸などに流れてきたのである。当然、無宿者は犯罪者である可能性が高かったのである2002/11/02

bittersweet symphony

0
寡作で知られる飯嶋和一さん、今年は島原の乱を扱った作品が大きく報道されていますが(読むのは文庫化待ち)、こちらはうちの未読書棚にあった1994年の河出文庫です(05年に小学館文庫で復刊されました)。雷電爲右エ門の伝記小説なわけですが、飯嶋和一さんの基本スタンスである民衆レベルからの歴史記述がふんだんに有るのはもちろんのこと、相撲がテーマだけあって力士の身体や取組みについての表現が執拗と言えるくらい現れそれがこの小説の基本リズムのひとつとなっています。2008/12/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/531143
  • ご注意事項