内容説明
大胆なイマジネーションと繊細な言葉を自在に操り、谷崎潤一郎、三島由紀夫につらなる倒錯の美的世界を構築する孤高のアルティザン山口椿の「やおよろず倒錯学」と、うら若き女とくりひろげる神聖冒涜的性愛の情景を艶麗な筆致で描く散文詩ふう断章とをないまぜにした、「日常的感覚をひっかきまわす恐ろしい楽しさ」に満ちた山口ワールド。
目次
アルゴラグニ
se tordre dans la douleur―輾転と
毒か薬か、薬か毒か
sans se h^ater―おもむろに
マスクメロンとムスク性的誘因物質
`a propos―その場にふさわしく
同種への狩猟
quand m^eme―それでも…
冬彦さんの哲学的命題
mais oui―そうですとも
血糖値と躁型システム
conte de f´ees―お伽ばなし
爬虫類的暴論
merle blanc―白いくろつぐみ(あり得ないこと)
反射脳と情動脳と理性脳
vider son sac―打明けたところ
眼には眼だが、どっちも犯罪〔ほか〕