河出文庫<br> 源内先生舟出祝

河出文庫
源内先生舟出祝

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 174p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309404639
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

幼年期より神童と呼ばれ、さまざまな学問に精通、また初めてエレキテルを発明し、晩年は戯作者として時の人となった江戸中期の天才・平賀源内。その奇怪な人生を同時代人の杉田玄白や司馬江漢らとの交流の中に描いた傑作小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

メタボン

29
☆☆☆★ スカスカとした文章が、源内の心の内のようだと気づいてから、山本昌代はやはりただ物ではないなと感じた。江戸時代を舞台としたホラーチックな路線の作品を書き続けてほしかったが、2000年代に入り、とんと作品が出なくなってしまった。もう書かないのだろうか。歴史上の人物がいろいろと出てくるが、秋田の侍絵師、直武が一番印象的だった。2021/10/18

たくのみ

10
「解体新書」にかかわりつつも、功名心から厭われてしまう平賀源内。山師としては、失敗ばかり、弟子たちにはおいしいところを持っていかれて、天才なのにむくわれない。今でいえば、コピーライターで小説家で総合プロデューサー。そんな仕事の才能があるのに、ムラっ気と焦りから空回りしてしまう、人間的で孤独な平賀源内の半生。同時代の司馬江漢、小田野直武、杉田玄白、太田南畝、鈴木晴信など元禄の文化人が花を添える。天才が孤独の中で何をみて、何を踏み外したのか。ラストの余韻はかなり怖い。2015/04/09

麩之介

5
この作家の作品を読むのは久しぶりだけど、相変わらずさらりと恐ろしいことを書くなと思う。「様々な方面に名を挙げて多忙な友の、しかし最後までおそらく何をも為さぬ男[源内]の顔を眺めて、玄白君はかすかな慰めを得るのだった。」(p. 59)「おれのおかげでこの男も故郷では一人前になったな。さぞ感謝をしているだろう、と源内先生は微笑む。 / おまえがいなかったらこんな目には遭っていない、尚武は沈黙している。」(p. 126)残酷ではないか。源内最後の「冷静な閃き」からの文章、谷崎潤一郎の「お艶殺し」を彷彿とさせる。2022/05/16

きゅうり

1
「世の為になろうとして世の中が俺を拒むなら、逆をしみたらどうかな。。。」愛されたいのに素直になれない!認められたいのに一つのことをやりとおせない!ああ源内先生あまのじゃく!2012/05/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1606586
  • ご注意事項