内容説明
蜃気楼とからくり屋の覗きめがねからあらわれる怪かしの世界―押絵と旅する老人、椅子の中に息をひそめる職人、少女人形に盲目的な愛をささげる青年、無数の微細な虫たちに蝕まれる屍体、飾りつけられた女の首、歪んだ鏡像たちの乱舞する異形の楽園。乱歩が想像力の極限から生み出した、美しくもグロテスクな幻想短篇を一冊に集大成。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっとる◎
44
恥ずかしながら乱歩初読み(^^;色々な媒体で取り上げられる乱歩。収録された作品のほとんとがタイトルを知っていたり粗筋を知っていたり。中途半端に知っているだけに読まずにここまできてしまった。もっと早く読んでおけば良かったとは悔しいから言わない(笑)むしろ、粗筋やオチを知ってなおこんなに読ませるのか！という驚きを味わえた(*´-`)世界がメガネと鏡で拡大され縮小され歪み回る。美も醜も一瞬で消え去り移ろう異形の万華鏡。お気に入りは押し絵と旅する男、人間椅子、虫、鏡地獄、指、芋虫、目羅博士。あんまり絞れない(笑)2016/01/22
ぶんぶん
15
不気味な話を読みたくなった。 何気無く古本屋さんの棚に、この本を見つけた。 古き良き乱歩の世界、不可思議な世界に翻弄される…「人間椅子」「踊る一寸法師」久々に文章の恐ろしさを感じた。 本は非日常の世界に連れて行ってくれますね。 美しくもグロテスクな幻想短編十五編、ご堪能あれ！2015/11/21
えも
9
ビブリアに触発され「押絵と旅する男」が読みたくなって本棚の奥を探したら、ありました、ありました♪ しかも人外や異形や幻想の短編が楽しめるお得な一冊。他に「人間椅子」「人でなしの恋」「虫」「防空壕」「踊る一寸法師」「芋虫」「目羅博士」なんて好きですねえ…。 そして、「押絵」の冒頭を読んだら、今度は京極夏彦の「魍魎の匣」が読みたくなってしまった★2013/05/25
Gin&Tonic
7
｢押絵と旅する男｣｢人間椅子｣｢人でなしの恋｣｢虫｣｢防空壕｣｢鏡地獄｣｢火星の運河｣｢踊る一寸法師｣｢指｣｢芋虫｣｢目羅博士｣｢百面相役者｣｢白昼夢｣｢毒草｣｢お勢登場｣／江戸川乱歩の幻想怪奇猟奇な短編のみ、15編収録。グロテスクで畸形的な美。毒気に当てられつつも、頁を捲る手が止まらない。最高。2014/10/15
ケセランパサラン
2
不気味な短編集。グロテスクで官能的で狂気的で現実と虚実の境目が分からなくなるような… 人間椅子と押絵と旅する男まではブラックファンタジー⁉︎ 今の時代背景とは違い突き詰めて狂気にはしるって云う重たい恐怖が散りばめられてました。2017/02/28
