河出文庫<br> 警視庁草紙〈上〉

河出文庫
警視庁草紙〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 486p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309404110
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

明治六年、川路大警視の下、明治の警察機構は着々と近代化を進めていた。その明治の警視庁を事あるごとにからかい悩ます一団がいた―。元南町奉行駒井相模守、元同心の千羽兵四郎、そして元岡っ引のかん八。彼ら元江戸南町奉行の面々が、大久保利通、井上馨、岩倉具視ら明治の大立て者を巻き込んで、警視庁相手に知恵比べをいどんだ。風太郎の連作明治伝奇。

目次

明治牡丹灯篭
黒暗淵の警視庁
人も獣も天地の虫
幻談大名小路
開化写真鬼図
残月剣士伝
幻灯煉瓦街
数寄屋橋門外の変
最後の牢奉行

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

林 一歩

19
法螺は大きい方が好い。西郷さんから半七親分まで登場する顔触れの豪華な事よ。2013/04/07

まめこ

9
★★★★★尊王攘夷を唱えた武士たちもちゃっかり時代の波にのりポリスとしてかつての敵、明治政府の禄を食む。そんな警視庁に元同心(ヒモ)、元南町奉行(隠居)らがちょっかい出しまくる。目貼りした部屋で微笑む死体、倒幕立役者の妻のその後、のぞきからくり殺人など文明開化事件簿。この巡査があの人?この子供が!この雲水が!ビックネームがチョイ役で登場。忍法帖のお色気は皆無です(笑)2018/06/14

さっと

8
いよいよ山風の明治モノの代表作。川路大警視率いる警視庁と元南町奉行駒井相模守・元同心の千羽兵四郎の面々がうまい具合に交錯する事件を生まれたばかりの明治世相と幕末・明治オールキャストに絡めて描く。警視庁に従事していた元新選組の藤田五郎(斎藤一)や元京都見廻組の今井信郎の組合せだけでもウヒャーなのに、旧幕の剣客・榊原健吉が催行した撃剣会を巻き込んだ騒動に、最後の“黒幕“のファンサービスが胸アツの「残月剣士伝」が良かった。2022/04/16

geshi

8
明治初期を舞台に、川路大警視をはじめとする警視庁の刑事たちと、駒井相模守を中心にした元南町奉行所の面々との知恵比べ。歴史的人物たちをゲスト出演させ、語るも涙の因果や鮮やかに騙される大法螺が滅法面白くて、読む手が止められない。あらたな時代を作ろうとする人々への、時代に取り残された人々のせめてもの反抗をエンターテインメントとして見せる筆は、さすが山風だ。2013/12/22

マッちゃま

5
最初はどんなモンかと読み進めました。江戸から明治の世となり、そんな大きな時代の変わり目を舞台にしたミステリ。少しづつ、でも確実に流れていく時代の中で、変わることの出来ない人間と、新たな時代を創る人間とが生む軋轢を見るようでした。物語の随所に実在する偉人たちも多く登場するのも楽しみでした。2014/04/18

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