感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
28
64年に初出の小説。ノンフィクション作家の印象が強いが純文学も書いていたようだ。哲学とエロスを混ぜた難しい作品。手を入れ92年に再版。2019/04/15
原玉幸子
15
ボーヴォワール『第二の性』のもじりなのは明らかな、女性二人による交換ノート形式の1965年初版の古い時代の小説です。副題から想像した当時の新時代の女性性の描写や表現は全く無く、書き連ねてある主人公の理念は文字として理解出来ても、左翼1.0?ジェンダー問題への挑戦?との疑問が先に来てしまい、どう受け止めるべき小説なのか自身の整理が出来ませんでした。巻末解説で著者の生い立ちを知り、漸く理解しましたが、その時代の女性意識に関わる歴史的意義のある小説であっても、現代に読み替えは難しい作品です。(◎2021年・夏)2021/06/18
れい
1
図書館で借りたため、実際には河出文庫ではなく初出の三一新書版についての感想。正直言って、「わかるようなわからないような」感じ。独身で当然子どももいない私は律子の立場はまだわかるが、沙枝の考えることはよくわからなかった。この往復書簡は勿論フィクションであろうが、こういう熱の入った文通そのものは実現できれば面白く実のあるものになりそうだと思う。2011/12/19