内容説明
少女、少女の靴、人形はなぜ大人にとって危険な誘惑体なのだろうか?また、幼少年期に激しく魅了された、幻燈、魔術、見世物、覗きからくり、時計、映画といったオブジェやイメージなどの幻惑の秘密はどこにあったのだろうか?幼少年期に遭遇するさまざまな恐怖と魅惑の発光体をめぐって、少年が意識する自己の分身としての影を考察しながら、その謎にせまる夢幻的なエッセイ集。
目次
1 少女(小妖精アリス;シンデレラの靴;少女論;アリスの肖像画家たち;遊戯の規則)
2 人形(人形幻想;人形貴種流離譚;器具としての肉体;ある人形破壊者の白昼夢;人形の解剖学者)
3 幻灯(魔術時代の終焉;影法師の誘惑;幻想の時計師;暗箱の花咲ける洞窟)
4 玻璃(タロットの秘密;現代の妖怪;和洋怪談比較考;面白い小説のからくり;つげ義春の退行的ユートピア;一枚の銅版画から)
5 幼年(長広舌讃;12階の崩れた日から;文字以前の世界)
6 睡眠(求む装飾用隠者;睡眠者の全知;赤い靴)