内容説明
昭和11年(1936)の二・二六事件、翌年、衆望をにない文麿はついに首相に任命される、僅か45歳の青年宰相であった。しかし意図と努力に反し、軍部はひたすら戦争を拡大して行く。総辞職、大戦の勃発、そして敗戦…文麿は戦犯容疑の収監を拒否して自決する。激動の昭和の悲撃を一身に背負った文人宰相の生涯と人間像をあますところなく描いて毎日出版文化賞に輝やいた渾身の大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
筑紫の國造
7
続けて読了。近衛の個人的な面に焦点を当てるのはいいのだが、公的な面と時代状況の説明があっさりとしすぎており、駆け足の感がないでもない。周辺の人物からさらにその周辺の人物へと記述がどんどんと広がり、だんだん何の話かわからなくなってくるのもちょっとどうかと思う。それでも、読ませる文章力があるのはすごいことだけど。2017/02/18
フンフン
6
前の所有者は8月2日に読了。つまり下巻に半年かかったらしい。近衛の伝記としては矢部貞治によるものが定評がある。矢部の伝記で触れられない私生活などをつけ加えた伝記。あと昭和研究会については矢部書は軽くしか触れていないので参考になる。2021/05/04