内容説明
『平家物語』を下敷きに、一の谷の合戦で源氏に敗れた平家が壇の浦の決戦で壊滅するまでのドラマと滅びゆく者の運命を壮麗に謳う。読売文学賞・朝日賞受賞。第４次全国公演中
感想・レビュー
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がらくたどん
58
清盛の秘蔵っ子知将知盛を主人公にしたゴキゲンな平家物語を読んだので。こちらは40年以上前の演劇脚本。知盛を主役、義経をその対役として、彼らが必死で生きる術を模索した壇ノ浦の「時間」を天空の時間との対比を強く意識させる演出で描く。物語は満天の星空の中の地球と宇宙のイメージから、一直線に知盛の眼前で自分を先に逃がした息子知章が討死する悲劇的な「浜軍」の段へと転換する場面から始まる。戦い事に不向きな兄宗盛を助け平家をまとめ後白河法皇と和睦の道を探る知盛の滅亡への予感をなんとか才覚で切り抜けようとする姿が愛おしい2023/05/02
