内容説明
世界中のミステリー・ファンの、青春の象微といわれるシャーロック・ホームズ。その原作のパスティッシュやパロディーは、クリスティーやカーなど、海外推理文壇の巨匠や有力作家により数多く創作されてきましたが、本書では日本人作家によるホームズ譚の変奏曲の絶品の数々を、初めて集大成してみました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホームズ
6
山田風太郎の『黄色い下宿人』は他の贋作集とかにも結構載っていることが多いイメージ（笑）しかしその他の物については初めて読んだものばかり（笑）ホームズが登場しなかったりちょっとよくわから無いものがあったり全体的には可もなく不可もなくという感じですかね（笑）それなりに楽しんで読めたのでまあ良しとしますか（笑）2010/09/21
SEI
3
ミステリ編集者新保博久が編んだ日本版ホームズ贋作集。まだホームズの著作権・翻訳権が自由に効かない頃の作を集めた書で、同趣向のものに北原尚彦編のものと、新保自身による本書の復刻・改訂版とも言うべき『シャーロック・ホームズに愛を込めて』がある。 筆者は先にそちらを読んだため重複に悩まされたわけだが、それでも中々に面白い。復刻版では選に漏れたものも、徳川夢声はカミュ風味で、横田のは本当に下らないが共に興味深かった。 白眉はやはり風太郎の贋作だろうが、海渡の作も堂に入っている。 ホームズファンなら読む価値あり。2017/10/04
ぽま
2
喜劇色の強いパロディから本格パスティーシュまで、内容は様々。これまでホームズの模倣探偵（ホームズの名前を捩った作品）には食指が動かなかったのだが、本作の深町眞理子さんのパロディ作品『シャーシー・トゥームズの悪夢』は正典の料理の仕方が面白く、倦むことなく読む事ができた。その他のお気に入りは『えげれす伊呂波』と『戦艦「三笠」設計図』。前者は、最後の一行まで読むことによりホームズとの繋がりが解るという面白い趣向。後者はおなじみ「ワトスン博士の未発表原稿」。当時の日本海軍とホームズとの、意外な接点が明らかになる。2012/09/16
