河出文庫
華やかな食物誌

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  • サイズ 文庫判/ページ数 228p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784309402475
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

美食家の中にはたんに食欲が肥大し、味覚が鋭敏になっただけでなく、美味なものを食べたいという欲望を上まわる妄想や衝動に憑られた人たちがいる。表題作「華やかな食物誌」は、古代ローマやフランスの宮廷の豪華なる食卓へと読者をいざないながら、そういった美食に憑かれた奇人たちのさまざまな奇行や妄想を物語る。表題作他絵画や寺院などに関する18篇のエッセイを収録。

目次

華やかな食物誌
フランスの宮廷と美食家たち
クレオパトラとデ・ゼッサント
ヴィーナス、処女にして娼婦
ベルギー象徴派の画家たち
アタナシウス・キルヒャーについて―略伝と驚異博物館
シュヴァルと理想の宮殿
ダリの宝石
建長寺あれこれ
蕭白推賞
絵巻に見る中世
土方巽について
みずからを売らず―秋吉巒について〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

96
澁澤龍彦の博覧強記ぶりに圧倒されるエッセイ集。「フランス宮廷と美食家たち」では、優雅に思えるフランスの貴族たちが野蛮な食べ方をしていたことが分かり、可笑しかった。例えばルイ14世はフォークを使うのが面倒で、手づかみで料理を食べていたそうだ。また彼は大食いの王様で一人で64皿も食べることがあった。「ヴィーナス、処女にして娼婦」はこの著者にしか書けない美術エッセイ。女性の持つ二面性を古代の美術史を通して分析していく。古代では生と性の境界が、現代のように単純ではなかったことが分かる。2018/07/20

ぐうぐう

13
古今東西の食物誌の中から、いかにも澁澤好みのエピソードを集め紹介した書。ローマの食通アキピウスの、長年の豪華な食事のための浪費に懐が寂しくなり、これ以上贅沢な食事ができないことを悟ると、最後の饗宴のあと、毒をあおいで自死したといった逸話からぶっ飛ぶが、中でもグリモの牛餐会と称されたバルタザール・グリモの食道楽ぶりがすさまじい。澁澤が美食家に魅せられるのは、本書で自身が分析しているように、エロティシズムと通じるところがあるからだ。どちらもそれが成立するには想像力が不可欠。澁澤はその想像力こそ愛でているのだ。2009/05/30

KO

5
澁澤龍彦のエッセイをまとめたもの。タイトルの通り食べ物に関する考察を読みたかったのですが、後半はアートに関するエッセイだったので若干消化不良でした。でも1つ1つの内容は当然澁澤龍彦を堪能できる内容なので、様々なテーマが入っていることで得したと感じる人もいると思います。2015/02/18

メイロング

4
食についてのエッセイも珍しいけど、後半の日本美術のエッセイがまとまってるのも珍しい。絵も彫刻も舞台芸術も、その写真をのっけてくれないものか。ヴィーナスの話なんてさっぱりわからない。読んでる時はわかった気になるのだけど。2017/04/14

鮎川玲治

4
前半部分はいかにも澁澤らしい怪しいエピソード溢れる食に纏わる話。後半は芸術などについてだが、短い話が多かった気がする。2ページ程度で纏まっている文章も結構ある。2011/02/11

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