河出文庫<br> 安吾史譚

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河出文庫
安吾史譚

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  • サイズ 文庫判/ページ数 222p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784309402130
  • NDC分類 210.04

内容説明

敗戦直後、名著「堕落論」「白痴」を発表し、新生日本の旗手として、不滅の光芒を放ちながら、時代を駆け抜けた巨星・坂口安吾は、日本史研究の上でも先駆的な業績を残している。「安吾新日本地理」「安吾新日本風土記」と並ぶ本書は、安吾の三大歴史傑作の一つである。古代から幕末まで、著者の最も愛した7名の英雄、異端児などを描きながら、画期的な日本史観を展開する。痛快大胆な歴史読物!

目次

天草四郎
道鏡童子
柿本人麿
直江山城守
勝夢酔
小西行長
源頼朝
付録 安吾下田外史
著者ノート 講談先生
回想 坂口安吾の思い出(大井広介)
解説 歴史という人間の自然(関井光男)
安吾史譚・坂口安吾年譜

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

北杜夫そっくりおじさん・寺

87
坂口安吾の作品をまだ一部しか読んでいない私が言うのはおこがましいが、安吾の本で面白いものをひとつ挙げろと言われたら、現時点ではこの『安吾史譚』を挙げる。歴史の面白さも安吾のユーモアもその思想も全て入っている。歴史人物列伝なんてたくさんあるが、凡百のそれらと違い、坂口安吾じゃないと書けなかっただろう列伝である。本書に収録された7人のうち、名作だと思うのは『源頼朝』で、坂口安吾独特のリズムで、ユーモアにめかした静かな感動が胸に入って来る。『柿本人麿』のさびしさも良い。『文学のふるさと』を思い出す。お薦めです。2019/10/13

マッピー

16
歴史エッセイのようなものかと思って読み始めたのですが、それよりはもっと史実寄り。通説とは違う、安吾独自の歴史論というか、歴史物語。人物の生き生きとした描写は、まるで現場で見ていたかのよう。そのうえ文章のリズムが良い。 これは、講談を聴いているようではないか、と思ったら、本人もそうと意識して書いていたとのこと。歴史の王道とは少し離れたところにいる人物にスポットを当てているのもまた、安吾らしいと言えるかも。歴史ってホント面白いなあ。2022/05/26

荒野の狼

12
「安吾史譚」に含まれる「道鏡童子」1952年(昭和30年)の作品で1時間かからずに読める短編。本作では、安吾はつぎのようにまとめる。日本の最初の大政治家は聖徳太子で、これをついで中央政府をほぼ完成したのが姉、妹、娘からなる三人の女帝のリレー(持統天皇、元明天皇、元正天皇)と、彼女たちが育てた聖武天皇と光明皇后の夫妻。この夫妻の子供が孝謙天皇で、この時代の陰謀は多くは失敗に終わったので、この「女帝は才気と威風がたしかに不足なく備わっていたと信じてよい」と評価。2021/06/18

アマヤドリ

9
いくつかもう少し深めて知りたい、読みたいものがあった2010/11/03

シロビ

5
天草にいった繋がりで読んだ一冊。 『天草四郎』『柿本人麿』『直江山城守』『小西行長』『安吾下田外史』が好き。 特に柿本人麿。自分の感動が外に出た途端、誰かの感動に昇華されてしまう哀しさ。そんな人麿の心に根付いている、誰の感動も呼び起こさないけど、彼にだけ常に感動を与える「ホラフキ」の言葉。この差とすれ違い、めちゃめちゃ可愛い。(フィルタ)かっこいいことをしている訳ではないのだけど、自分の法則に従って人生をぐいぐいと真っ直ぐに生きていく人物像がかっこいい。生きているエネルギーを感じます。2017/07/10

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