河出文庫<br> 弥勒

河出文庫
弥勒

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  • サイズ 文庫判/ページ数 296p
  • 商品コード 9784309401782
  • NDC分類 913.6

内容説明

地上とは思い出ならずや―。自伝的現実を未来仏への宇宙的郷愁に昇華させた表題作ほか、自伝色濃い7篇を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハチアカデミー

17
稲垣足穂文学の白眉と言われる「弥勒」が凄い。目の前の現実や思案、過去の記憶や読んだ本、目にした骨董から映画まで、正に夢そのものを描く私小説である。タルホの世界では、常に現実と夢想が入り乱れる。現在も過去の記憶も、私たちが「生活」に苦しむとき、彼はそこで「空中世界」を夢を見る。浮世離れしているのではなく、それが彼の浮世なのだ。「私小説」的な過去の物語から始まり、途中からその「私小説」を書いている語り手の話になり、最後は「そんな夢を確かに明方に見た」で締められる。先生、あなたの時制がわかりません!2014/02/21

不以

2
星空と悪酔いの話。繰り返されるモチーフのせいで既視感にくらくらして楽しい。不思議な転生感を覚えた。……感想サイトを見て回って初めて気付いたのだけど、短編集だったこれ。連続する長編だと勘違いしながら読み終わってしまった……。よく考えるまでもなく短編集なのになんで勘違い継続できたんだろう……。2014/09/27

工藤 杳

0
ただの道楽星おじさんかと思っていたが、この自伝風小品群のどん詰まり感・困窮具合がすごい。「これが、吸殻拾いのこつです。」(『白昼見』)…なにを言ってるんだ、おまえは。それでも星を諦めない、ほんとうにダメなひと(だから良い)。2017/09/27

0
Y-202007/01/12

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