河出文庫<br> アナクロニズム

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河出文庫
アナクロニズム

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  • サイズ 文庫判/ページ数 270p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309401096
  • NDC分類 914.6

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

TKK

11
アナクロというよりオカルティックと言った方がしっくりくる。目次から「地球空洞説」「人間栽培論」「モーゼの魔術」「血液嗜好証」およそ世間の主流にはなり得ない、種村氏曰く「ガラクタのおもちゃ」のようなものに心惹かれます。手に取る海外文学の翻訳者が種村氏である率が高く、やはり好奇心のベクトルが同じ方向を向いていたのだと納得しました。2018/04/12

三柴ゆよし

7
地球空洞説、ホムンクルス栽培、小児十字軍、血液嗜好症、空飛ぶ円盤といった、極彩色でありながら、それ自体ではなんの役にも立たないにちがいない<文化的ガラクタ>の数々について論じたエッセイ集。歴史の空隙に放擲され、一顧だにされないような事物をすくい上げ、軽妙洒脱な文章によって紹介するスタイルをとるが、結局のところ、いちばんおもしろがっていたのは、読者というよりも、作者自身だったのだろう。そんな気がする。2012/03/23

澤水月

6
葦原将軍に始まり終わる、愛すべき胡散臭い人々。奇人紹介さわりに内田百閒、ニクい起用。80年代は澁澤龍彦ばかり追いかけて著者を余り読まなかったが、年経ていましみじみ飄々とだが「うっすら死臭漂う本」の味良く、特にペテン師系語る筆躍動。ただ百閒は「鰻飯は鰻を捨てお汁の染みたご飯だけいただく」で終わっちゃぁちと百鬼園先生の人品に合わない気がして調べると高橋義孝の筆(うなぎづき合い)では「うなぎは」…「後で美味しくいただく」とオチがつくようだ。だが捨てるまでの話が本書から広まってるようで種村さんも十分フカシ系(笑2024/03/23

misui

3
世界が明らかになっていく過程で捨象された、膨大な仮説や蒙昧。著者が「アナクロニズム」と位置づけた珍説・俗説・迷信の数々は、たしかに現在からすれば奇妙なものに映る。だがそれらは現前するものの背後にひっそりと息づき、正論だけでは捉えきれない人の精神の一側面を示してもいよう。有名な「葦原将軍」についての詳細な記述あり。2014/09/15

メイロング

2
古本市で買ったあとからそのまま読みふけってしまうという至高の時間を味わう。一章一章の濃さがほどよく、種村季弘入門にぴったり。味のある文体で興味深いエピソードの奔流を与えてくれるんだけど、それを活用する日はきっとこない。だからいいよね。2016/05/10

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