出版社内容情報
東京都現代美術館[トウキョウトゲンダイビジュツカン]
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内容説明
アジア人初のトップモデルとして世界を席巻、日本女性の新たな美を提示し、唯一無二の表現者として時代の先端を最後まで走り続けた山口小夜子。その伝説が、ハイ・レゾリューション画像によってよみがえる―
目次
第1章 時代とともに―トップモデルとしての小夜子
第2章 美をかたちに―資生堂と小夜子
第3章 新たな舞台へ―演じる、舞う、着せる小夜子
第4章 オルタナティヴな未来へ―21世紀の小夜子
第5章 論考・資料篇(山口小夜子 未来を着る人;多様な表象が揺らめく水晶宮―山口小夜子論)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マリリン
45
妖艶な美を纏う山口小夜子の事は知っていたが、お気に入りさんのレビューと近年「蒙古斑革命」の話に触れた事が本作品を手にしたきっかけ。資生堂のイメージは鮮明に記憶しているが、東洋的な山海塾の勅使河原三郎氏の舞踏に山口小夜子が参加していた事は知らなかった。20代から表現者としての道を歩んだ山口小夜子。日常生活は存在しないかのような独特な世界。プライベートを完全に断ち切り他者の介入を拒み舞台に生きた姿から生活の匂いを全く感じない。渾身の表現者である山口小夜子の舞台を生で舞台を見たかった。 2022/11/16
G-dark
19
雑誌広告やパリ・コレクションをはじめとする、様々なショットをまとめた本。わたしはこの本を読んでいて、「糸屋の娘は目で殺す」という言葉を思い出しました。きっとこれまでに多くの人々が、この瞳にハートを撃ち抜かれてきたのでしょう。そしてこれからも。どの作品を見てもそう思わされます。沈黙しているのに雄弁…という印象を受けます。物凄い存在感。白黒の作品であっても、「きっと唇も爪も鮮やかな赤に染まっているのだろう」と見る者に想像させる艶やかさ。魔に魅入られたかのような気配の作品もあって、ゾクッとしました。2023/06/25
miaou_u
11
同じ時代に生きたかったと思う憧れの人の一人。資生堂が私を造ってくれた、と仰った小夜子さん。資生堂とセルジュ・ルタンスとのコラボレーションはこれぞ山口小夜子という世界観に溢れ、その妖艶で蠱惑的な美に圧倒される。舞台や映像作品への取り組みも日本、アジアへの思いが山口小夜子という唯一無二の作品へと結実していったのだろう。山川冬樹さんが言葉を寄せられたページで、小夜子さんは山川さんに、広島の爆心地近郊のイサム・ノグチの平和大橋に感銘を受けてデザイナーを志されたという三宅一生さんのお話を何度も話されたのだそうだ。2022/08/21
changking
0
この眼に引き込まれてしまうのだ。生命力と妖しさと魅力は眼から伝わるのだ。2024/01/20
Qfwfq
0
★4.52022/10/02