郵便配達夫シュヴァルの理想宮

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309279992
  • NDC分類 523.35
  • Cコード C0070

出版社内容情報

しがない郵便配達夫シュヴァルは、たった一人で三十三年という歳月をかけて、自らの宮殿を現実のものとした。その驚くべき生涯。

内容説明

なんと不思議な建物!ピカソも絶賛、世界を驚愕させたとてつもない石の宮殿。40歳を過ぎてから30年以上かけ独りでこつこつと石を積み上げその途方もない夢想を実現させた男、シュヴァル。唯一無二の建物とその創造主について日本で初めて紹介した貴重な1冊。

目次

第1章 オートリーヴ
第2章 単独歩行者の夢
第3章 村の気違い
第4章 「終わりなき静寂と休息の墓」
第5章 理想宮案内
第6章 死後の栄光
第7章 三人の大無意識家―シュヴァル~ルソー~ルーセル

著者等紹介

岡谷公二[オカヤコウジ]
1929年生まれ。東京大学文学部美学美術史学科卒。フランス文学・美術・民俗学。著書、訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

阿部義彦

17
河出書房新社らしい本です、てっきり翻訳書かと思ったら日本人の単著でした、著者は東大卒でフランスの文学美術が専門らしい。本書は作品社から1992年に単行本化されたのを2001年に河出書房新社が文庫本にして、さらに今回逆に単行本化されたという変わった遍歴をもつ本です。アウトサイダーアートが注目を浴びる今こそ読みたい本。後半のルソー、ルーセル、シュヴァルを大無意識家として一纏めに論じたのが出色。3人とも美術史、文学史、建築史の中に系譜を持たない。写真が多く見ているだけで圧倒されました。物好きな方ぜひどうぞ。2019/06/14

りー

15
藤森照信さんオススメ本。昨年末の映画を見損ねたのが悔しい。ごくごく地味に生真面目に生きてきた中年の郵便配達員が、ある日躓いた奇岩に魅せられ突然、石とコンクリートで「宮殿」をつくりだしてしまう。村人からは変人扱いされるものの、アンドレ・ブルトンやピカソからは絶賛される世界無二の建築が完成。たった独りで、しかも勤務後の時間を使い、成し遂げた。キリスト教徒として死んでいったとは信じられないほど、原始の神話(ケルト的な?)を思わせる造形に満ちている。ぞくっとします。本物を見てみたい。カラー頁が欲しかった!2020/05/10

帽子を編みます

3
図書館本、『誰も読まなかった本』特集に並んでいた本です。読めば面白いのに、なんとなく読まれないまま過ぎちゃったのね…。写真も多くて読みやすかったです。企画の方ありがとう。2019/11/03

みやび

3
郵便配達夫だったシュヴァルが40歳を過ぎてから33年という歳月をかけてつくりあげた理想宮。独力でシンプルに石を積み上げる作業を来る日も来る日も繰り返して完成した石の宮殿は信じられないほど細密で壮大だ。古今東西様々な文化が融合したような独特の装飾。これだけの物を創ろうと思ったきっかけが配達の途中でつまづいた石が変わった形をしていておもしろかったから。それが日頃夢見ていた妄想と合わさって壮大な建築が始まる。もう正気の沙汰ではないと思える途方もない作業を情熱と根気でやり遂げてしまうなんて凄すぎて言葉にならない。2019/11/16

P-man

3
佐藤健寿の奇界遺産で知ってからずっと気になっていた建物を「アンリ・ルソー 楽園の謎」の岡谷先生が書いていたとは驚いた。本作でもルソーの名前は何度も出てきますし、ルソーのファンとしては挙げられる相似点などが実にわかりやすい。それにしてもなんという建物だろう、なんという人だろう。一人の人間が持つ生への渇望とは、ときにとてつもないものを生み出すものだ……。2019/04/26

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