出版社内容情報
現代陶芸界を牽引する陶芸家・安藤雅信の思考の記録。坂田和實・村上隆・大友良英・皆川明らと生活工芸の行方を語った対談も収録。
安藤 雅信[アンドウマサノブ]
著・文・その他
内容説明
工芸、美術、生活を繋ぐ、陶作家・安藤雅信、陶歴36年の歩みを辿る作品論とエッセイ。
目次
1 どっちつかずのものつくり(どっちつかずの始まり;幹を見極める;実用工芸と現代美術 ほか)
2 僕が愛玩するもの(柳茶碗;手板とリンゴ箱;おろし皿)
3 周辺から中心への対話(坂田和實&安藤雅信「基準のない美しさ」;工芸と美術を繋ぐ―坂田和實さんとの対談を終えて;村上隆&安藤雅信「現代美術⇔陶芸」 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほし
9
著者の安藤雅信さんは、岐阜県多治見市にギャルリ百草を構える陶作家の方です。ぼくも安藤さんの作られたコーヒーマグを愛用していますが、一見シンプルながら存在感があり、しかしアクが強くなく生活に馴染み、飽きずに使える…という本当に絶妙な作品です。本著を読むことで、それを生み出した安藤さんの信念や思考を垣間見ることができました。安藤さんが語る工芸と現代アートの共通項なども興味深かったです。モノがもつ前半生、後半生の思考は新鮮でした。対談相手も坂田和實・村上隆・大友良英・皆川明さん、と豪華なバリエーションです。2019/01/29
etsu
3
村上隆との対談が完全にすれ違っていておかしかった。 生活工芸の意味が理解できた。2019/02/14
ponnnakano
1
前々から気になっているカップ(三谷カップ)の人。買うとすれば実際に手に取ってみてからにしたいのですが、ギャルリ百草は遠すぎて無理なので困る。本の中では対談のかみ合う人と噛み合わない人(一人だけですが)の対比が面白かった。ちょっとナイーブすぎるかなと思った。2019/03/26
のたりくたり
0
大友良英氏のOrnette Coleman, Albert Ayler, Eric Dolphyの解説(NHKラジオ番組)に共感していて、この本に出合った。一日でほぼむさぼり読んだ。CDで50回以上聞いた東大教養の英語教科書の文で唾や鼻や唇の音も聞こえることで英語が命ある人のものと感じた95年頃の興奮を思い出してうれしかった(JazzCDの再生用スピーカーに30㎝まで近づくかheadphoneで聞いた)。音楽に混じる雑音、茶室の外からの音の話にこころが踊ったのでした。このお二人の正直さに乾杯します。2021/11/12