出版社内容情報
海へ身を投げた不幸な少女が夢みた切ない物語。地上の家族は浴槽で一人ずつ溺死、最後には誰もいなくなってしまいました……。
エドワード・ゴーリー[ゴーリー,E]
著・文・その他
柴田 元幸[シバタ モトユキ]
翻訳
内容説明
シオーダみんなの鼻つまみ、ただいるだけで不快の極み。シオーダ世をはかなみて、満ちくる潮に駆け下りて。虚空に叫ぶ「いざさらば!」桟橋に立ち跳んだらば…不幸な少女シオーダは、身を投げた海のなか、大きな化け物と出会い、仲良く深海で暮らします。地上では、家族は浴槽の中でひとり、またひとり溺死して…。
著者等紹介
ゴーリー,エドワード[ゴーリー,エドワード] [Gorey,Edward]
1925年、シカゴ生まれ。2000年没。独特の韻を踏んだ文章と独自のモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表した
柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年、東京生まれ。アメリカ文学研究者。2005年、『アメリカン・ナルシス』(東京大学出版会)でサントリー学芸賞受賞。ほかの著書に『生半可な學者』(講談社エッセイ賞受賞)などがある。2010年、ピンチョン『メイスン&ディクスン』(上・下、新潮社)で日本翻訳文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
239
高見澤 俊彦の小説「音叉」を図書館に予約しているので、同じタイトルの本書を思わず手に取りました。エドワード ゴーリー、初読です。暗く独特の世界観、大人の絵本です。本編よりも、訳者あとがきの長い絵本は初めて読みました。2018/11/27
ゆのん
111
『ずぶぬれの木曜日』がおとなしめだったけど、今回は良い!おどろおどろしい感じが最高ですっ!!2018/10/18
aquamarine
87
連続刊行三冊目。今回は家族から虐待された少女が海に身を投げて…ゴーリーにしては珍しく勧善懲悪で、うん?普通?と思いますが、やっぱりちょっと違うのです。柴田さんの韻を踏む訳は流石です。最後の散文訳も綺麗でそれもとても良かった。訳者あとがきにある、この本の謎の出版経緯もとても興味深く読みました。この緻密な絵を二度書いたらしいと知ってびっくり。さらにこの本のいろいろな不思議な部分が、解説により説明されていたのもとても良かったです。いつもとちょっと違う、でもやっぱりゴーリーな世界を楽しみました。2018/12/19
旅するランナー
81
少女と海の妖怪による怪奇譚。家族の無理解が発端。She has a very fluent tongue. 妖怪たらしは結構簡単。結局音叉って何やったん。2019/02/10
keroppi
77
【エドワード・ゴーリー誕生日読書会’21】いじめられた少女が身を投げる。いつものゴーリーと違ってこのままでは終わらない。タイトルの「音叉」ってどういう意味なのだろう。解説に2回出てくると書いてあるけど、2回目が見つからない。この不思議さがゴーリーか。2021/02/07