出版社内容情報
スケートの練習に明け暮れながら、青春に悩み同性愛者である自分を受け入れていく少女をリリカルに描く、傑作グラフィック・ノベル。
ティリー・ウォルデン[ウォルデン,T]
著・文・その他
有澤 真庭[アリサワ マニワ]
翻訳
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
32
少女期に覚える不自由さに、あるいは出口のなさについて考えてみる。それは、少女時代がどの時代よりも自由であるはずだと信じることで覚えるのかもしれない。その信奉は、当然少女を自由であろうとさせる。けれど、様々なハードルが、理不尽な壁が彼女に立ち塞がる。『スピン』の主人公・ティリーは、フィギュアとシンクロナイズドのスケーターで、厳しいながらも自分の居場所であるリンクを自由に滑走し、謳歌していた。やがて、彼女は知る。自由に滑るには、リンクという限られた場所でしか可能でないことに。(つづく)2018/03/11
くさてる
29
アメリカのグラフィック・ノベル。アイススケートに打ち込む少女が、それから離れるまでの数年間の生活を描いた内容です。いわゆるアメコミのような作風ではないし、日本の漫画とも一味違う。けれど、女の子ってどこでもこうなのかな?こんなに腹を立てて、さみしくて、うまくいかなくて、だれも分かってくれなくて、だれかのことを好きになって、傷ついて、どこまでもひとりなのかな。そんなことをずっと考えながら読みました。良かったです。2018/10/03
mntmt
23
心理的描写がとてもリアル。グラフィックノーベルです。2018/03/08
タカラ~ム
18
元フィギュアスケーターの著者が自らの経験を描いたグラフィックノベル。スケートの世界がメインではあるが、それだけではなく、彼女自身の性的な面についても率直に描いてある。フィギュアスケートに興味のある人ばかりでなく、多くの人に読まれ、そして考えて欲しい物語である。2018/04/11
メセニ
15
読みながら自分の10代の頃とかを思い出してみて、あの時の鬱屈した気分とか何に対しても答えが出せない感じとか、そういったことすべてがあのままで良かったのかなとか考えた。それは今でもたいして変化してないのかもしれないけれど、それでもなんだかんだ日々をスピンしながらもやりくりしていけてるような気はする。力強くではないにせよ、助走をつけて軽く踏み切るくらいには案外ふわっと清々しい気持ちになれる。2018/02/28