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出版社内容情報
本邦初の画集刊行。「幻の画家」「発禁の画家」橘小夢。時間を越えて今、蘇る「妖美」の世界。怖くて、美しい!江戸川乱歩絶賛!
加藤 宏明[カトウ ヒロアキ]
監修
加藤 千鶴[カトウ チヅル]
監修
中村 圭子[ナカムラ ケイコ]
編集
内容説明
めくるめく「情炎」と「妖艶」―妖しい美の世界。秘められていた扉がいま開く!幻の画家、発禁の画家、待望の1冊。
目次
妖
儚
凄
艶
祈
幻
奇
著者等紹介
加藤宏明[カトウヒロアキ]
橘小夢・孫。会社勤務のかたわら、小夢の絵の研究、発掘、紹介につとめている。橘明(たちばな・あきら)の名前で人形造形師としても活動中
加藤千鶴[カトウチズル]
橘小夢・孫。幼少時に小夢と同居。大学勤務のかたわら、祖父である小夢について展覧会開催・書籍作成等全般に携わる。個人の楽しみとして絵画制作を行う
中村圭子[ナカムラケイコ]
弥生美術館学芸員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
50
画集。まず目に付くのは女性の衣装の細かさ、豪奢さ。一頁目の「地獄太夫」次いで「花魁」にまず目を奪われる。それでも乱歩が「ビアズリーに国貞の衣装を着せて」と評したように、絢爛豪華な衣装を纏っている女性の底に大正期独特の空気、どことなく退廃的な空気が流れているような気がする。それは彩色画もそうだけど、細かい線で描かれたペン画や挿絵にもそれは顕著。女性だけではなく僧や老人に至るまで妙な色気を含んで迫ってくる。頁を捲っていくと、日本の情念とか怪しさがひしひしと表れてくる画集でした。やっぱり大正期の画っていいな。2015/04/05
ヒロミ
47
まぼろしの幻想画家・橘小夢(さゆめ)。伝承文学から着想を得た悪魔的な画風で画壇でも孤高の存在となり長らく人々の記憶から忘れられていたが、近年の弥生美術館の展示などで再評価が高まっている。「地獄太夫」の絵はやっぱり怖い。怖いけれど美しく、目を背けることができない。女性と河童が水に沈む絵は発表当初発禁扱いを受けたそうだが、逆に発禁にしたお役人さん想像力豊かすぎるよ!と思った。それだけ小夢の絵からただならなさが漂っていたということであろう。2016/02/01
安南
25
初めて知ったのが、皆川博子の中公文庫『花闇』の表紙画。田之助の妖しい立ち姿に取り憑かれ早幾年。「ビアズレーのモダンさと絵草紙の残虐美、大正期のいささか感傷的、浪漫的な甘美さがまじりあった魅力」と皆川氏は語っている。先週展覧会にも足を運んだ。もっとたくさんの作品を観てみたいという願いが、やっと叶えられ本当に嬉しい。妖艶な女性の画はもちろんだが、今回は芝居関連の作品、鬢のほつれた色悪の凄絶な色気にシビれた。2015/03/28
Nekono
9
MARUZENにて購入。注文しようとしたら、すでに一冊入れてありました。さすが、MARUZEN、担当のお兄さん偉い。で、早速、眺める。地獄太夫、地獄太夫。あぁ、最高だ!美しい花魁が纏う地獄模様の打掛。実在の人物らしいが、なんというカブキ者だろう。淫らで清純、退廃にして抒情。これで、好きな時に手に取れる。 2015/10/06
Nekono
8
ううっ、また即購入しなければならない本が増えてしまった。図書館で借りたが、手元に常備しておきたい。妖・艶を俗の中からすくい取って、絢爛たる耽美に至っている。素敵だ。最初の地獄太夫でまず、どきりとさせられる。衣の異形と容姿の艶かしき清純さに心奪われる。玉藻前の狐面、水妖の人魚と蛇。すごいなぁ、こういう画家がいたことを今まで知らなかったのが悔しい。2015/09/20