内容説明
何年か前、わが家に交換留学生がホームステイにやってきた。でも、勉強するのも眠るのももっぱら台所の戸棚の中。「きっとお国柄ね」と母さんは言った―。
著者等紹介
タン,ショーン[タン,ショーン][Tan,Shaun]
1974年オーストラリア生まれ。現代を代表する新進気鋭のイラストレーター、絵本作家として活躍する一方、舞台監督、映画のコンセプトアーティストとして活動の場を拡げている。2011年には『ロスト・シング』を映画化、アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞
岸本佐知子[キシモトサチコ]
1960年生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ🍀
273
君は何かを伝えに来たのかい。それとも束の間の休息を楽しみたかっただけなのかい。…ある日、ナッツとドングリとクルミの鞄を抱え、交換留学生としてやって来たエリックは、知的な佇まいが印象的。自分より大きな本を必死に読む姿は、まさに物語の世界に飛び込む若者のよう。自分の世界にはない、見たことのないものをどんどん吸収していく。…ボタンや飴の袋を拾って何が楽しいの?もっと楽しいことはあるのにね。…エリックは少しも退屈なんてしておらず満たされていた。沢山の煌めく感謝の気持ちを、そっと引出しに置いていってくれたのだから。2021/06/29
kanegon69@凍結中
178
5分で読める文庫本サイズの小さな絵本ですが、凄く心に残りました。普段フランス人と付き合っている私は、異国からやってきた交換留学生との距離感の取り方、「きっとお国柄ね」という考え方が非常に素晴らしいと感じました!きっとこの考え方は異なる文化・人種を受け入れるベースだと思います。エリックの様子を気にしている主人公、でもちゃんと尊重して適度な距離を置いている様子が素敵です!一見不思議なエリックの行動でしたが、最終頁でとっても可愛いくてホッコリする絵にすごく温かい気持ちになれます!何度でも読み直したい一作ですね!2019/12/15
シナモン
169
図書館本。自分のお気に入りは人のお気に入りとは限らない。違いを「きっとお国柄ね」とサラッと受け入れる懐の深さ。エリックみたいにちっちゃいサイズが素敵な絵本でした。2020/04/28
匠
148
ショーン・タンの描く不思議な生き物は、無表情のようでいて実はとても表情豊か。どこからかホームステイにやってきて、どこかへまた旅立っていくエリックのことを、ステイ先の人からの視点で描いていく絵本だが、言語や国籍、習慣や考え方の違いを思い知りながらも、その分何かが通じた時の喜びは大きかったりする異種交流に重ねた物語に思えた。受け入れること理解しようとすることは簡単なようで難しいこともある。表紙と違って中身の絵はセピア調で統一されてるのだが、唯一カラフルになったページは言葉など必要ない気持ちが溢れて素敵だった。2014/04/08
❁かな❁
137
お気に入りさんの感想から手に取りました!とても小さくて可愛い素敵な絵本です♪交換留学生としてホームステイにやってきた『エリック』。すごく可愛くて小さいです。お国柄の違いで実際いろいろお互いわからないことがあったりしますよね。でもきっと優しい気持ちは伝わると思います!最後のページ、とても素敵で感動しました☆ページをめくって、そのページが現れた時、うわ〜って思って、じーんとしました(/ _ ; )めちゃくちゃ良かったです♡エリックの想いがよく伝わりました★本当に優しく温かい絵本です!とってもオススメです♪2014/05/21