内容説明
あなたもわたしもだれだってなにかしてます悪いこと―悪いことをした子どもには残酷な運命が待つという訓話をゴーリー風味で味つけした素晴らしくも哀しいものがたり。
著者等紹介
ベロック,ヒレア[ベロック,ヒレア][Belloc,Hilaire]
1870年‐1953年。歴史や思想、詩や小説など多岐にわたって文筆活動を行った
ゴーリー,エドワード[ゴーリー,エドワード][Gorey,Edward]
1925年、シカゴ生まれ。独特の韻を踏んだ文章と、独自のモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表している。またエドワード・リアやサミュエル・ベケットらの作品の挿画、劇場の舞台美術なども手がけた。幻想的な作風と、アナグラムを用いた(Ogdred Wearyなど)ペン・ネームを使い分けて、たくさんの私家版を出版したために、多くの熱狂的コレクターを生みだした。2000年4月15日、心臓発作のため死去
柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年、東京生まれ。アメリカ文学研究者。東京大学文学部教授。2005年『アメリカン・ナルシス』(東京大学出版会)でサントリー学芸賞受賞。『生半可な學者』(白水社)で講談社エッセイ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
100
作者のヒレア・ブロックは、19世紀後半に流行った教訓的物語を風刺してこれらの詞を作った。友人の挿し絵つきで出版されたのが「子供のための教訓詩集」(訳者の柴田元幸氏の解説による) この絵本は、ブロックの死後にゴーリーが挿し絵を描き、柴田氏が訳した。子供も大人も思わずドキッとするこのタイトルを考えた柴田さんすごい!内容はかなりの風刺物語で、ブラックなスバイスがきいています。が、タイトルや見開きほど秀逸ではないかもなあ。(あなたもわたしもだれだってなにかしてます悪いこと 悪いことをした子供には残酷な運命が待つ)2015/02/11
藤月はな(灯れ松明の火)
78
ホフマンの「もじゃもじゃペーター」と並ぶ位、トラウマ必至のえぐ過ぎる子供への教育本。特出すべきはライオンに頭だけ残して食べられた少年の話。ボールのようにゴロンと転がった少年の虚ろな目は最早、ホラーでしかないです。そして嘘を吐き過ぎたために焼け死んだマチルダの話は、ホフマンの火遊びして骨まで灰になってしまった女の子の話と被る位、えぐ過ぎる・・・・。そしてただ、怖がっただけなのに叱られたりする子供の姿が親に八つ当たりされたり、とばっちりを受ける世の中の理不尽さを物語っているような気がします。2014/02/18
かりさ
77
ゴーリーの子供の話しに平和なものは殆どないので今回も覚悟してましたが、いや~残酷さはここでもなかなかすごい。こんな悪い子はいつか罰が下りますよ、との訓話なのですがその運命やぞっとするくらい恐ろしい結末。子供の罰にしては重すぎるんでは…と小さな子が読んだらトラウマになりそうな描写も。だからこそ教訓として功を成すのでしょうか。残酷さの中にも飄々とした可笑しみを持つゴーリーの挿絵が魅力的です。2015/11/20
鱒子
72
図書館本 ゴーリーが挿絵を描いた絵本。いらんことしぃな子供たちが大変な目に遭うおはなし。「もじゃもじゃペーター」のような教訓的な感じですが、パロディな面白みはよく分かりませんでした。柴田さんの訳は、リズムが良く素晴らしい。2022/03/28
gtn
69
「訓話」というが子供が読んでも何の身にもならないだろう。そうかそうか、悪いことをしたらそんな目にあったかと余韻を楽しむ。2019/10/30