終わりなき闇―チェット・ベイカーのすべて

ギャビン，ジェイムズ【著】〈Ｇａｖｉｎ，Ｊａｍｅｓ〉/鈴木 玲子【訳】

河出書房新社（2006/01発売）

• サイズ A5判／ページ数 500p／高さ 22cm
• 商品コード 9784309268682
• NDC分類 764.7
• Cコード C0073

内容説明

ジャズ、女、麻薬、それがすべて。これがおれのトランペットから流れ出た悲哀の正体。異例のスピードでジャズ界のスターとなってから世界一有名なジャンキーへと成り下がった男。ブルース・ウェーバーらが魅了された天才ジャズマンの人生を描ききった決定版。

著者等紹介

ギャビン，ジェイムズ［ギャビン，ジェイムズ］［Ｇａｖｉｎ，Ｊａｍｅｓ］
生年月日、出身地は不詳。ＡＳＣＡＰ（アメリカ作曲家・作家・出版者協会）のディームズ・テイラー賞（作曲家・音楽評論家として活躍したＪｏｓｅｐｈ　Ｄｅｅｍｓ　Ｔａｙｌｏｒにちなんで優秀な音楽関係の著作物に与えられる賞）受賞作品Ｉｎｔｉｍａｔｅ　Ｎｉｇｈｔｓ：Ｔｈｅ　Ｇｏｌｄｅｎ　Ａｇｅ　ｏｆ　Ｎｅｗ　Ｙｏｒｋ　Ｃａｂａｒｅｔの著者。積極的な執筆活動をつづけ、「ニューヨーク・タイムズ」紙をはじめ、さまざまな媒体に頻繁に寄稿している。１９９６年グラミー賞ノミネートを受けたセット組ＣＤ『エラ・フィッツジェラルド：ザ・レジェンダリー・デッカ・レコーディングズ』では、ライナー・ノーツを担当した。ニューヨーク市在住

鈴木玲子［スズキレイコ］
静岡県御殿場市出身。青山学院大学文学部英米文学科卒。英会話学校講師、出版編集アシスタントなどを経て、米映画会社支社から日本の映画配給会社に移る。１９９２年に退社後、フリーランスで雑誌・書籍の翻訳、映画作品のノベライズ執筆などに携わるほか、来日アーティストの通訳としても活躍中（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[osakanazuki44]

ジャズ・トランペッター、ヴォーカリストの伝記。家族、恋人を棄てたジャンキー。司法取引でミュージシャン仲間を検察に売る。逮捕を逃れる為に薬局に放火。薬物を持たされた妻が逮捕。売人に歯茎が内側にめり込むほどの暴行を受け、上の歯を失う。周囲の人の善意を仇で返す人生。

2021/09/13

[c]

ベイカーの代名詞である、「シングス」の発売までが僅かに本の四分の一程度。あとは、美貌と才能に恵まれたアーティストが、ドラッグに溺れ破滅してゆき、更には他の多くのジャズメンのように若くして死ぬことすらできない醜態が淡々と、しかも延々描かれる。地に足が着いている人間からすればたんに笑えない喜劇だろうが、しかしある類の人間にとっては魅惑的な神話であることも確かだ。他人の善意を踏みにじって、約束された成功に背を向ける背徳的な悦びは、どんなドラッグにも勝る甘美さに満ちているであろうから。

2010/12/20

[maana1119]

更生できない麻薬中毒患者が周囲の人々と引き起こすトラブル、そして彼に投げかけられる罵詈雑言。この組み合わせがただひたすら延々とくりかえされ、正直通読するのはかなりの苦行。同じ素材をセリーヌや村上龍のような作家に書かせたら、あるいはそれなりに魅力的な物語になったかもしれないが。彼の音楽家としての活動と作品に対する歴史的な評価がまとめて読めるので、資料的な価値はある。彼の2度あった来日公演は晩年の彼としては奇跡的な名演となり、接することのできた人は相当な幸運だったらしい（よく入国させたなしかし…）。

2014/06/24

[a]

富や名声にそこまで興味がなかったのかな。ドラックがやれる最低限の金があればいいと思ってのかな。銀行口座もない、それも魅力の一つだよな。音楽とドラックがあればいいか。シンプルな生き方だよな。だから禅の思想と言われるのか。彼の音楽を聴きながら、この本を読むのは幸せだったな。一人っ子はつらいね。親の扱いが大変だよな。いろんな顔が彼にもあるのかな、いい顔も大切だよな。なぜ、あそこまで女を侍らすことができるのかな。母性本能くすぐるのか。アンニュイな。細くて。自分の魅せ方を知っている人だよな。助けられるスペシャリスト

2018/08/03

[Suzume]

呪いの本とか、そういう類。

2011/08/30