内容説明
ヴィクトリア朝教訓をほどよくパロディにした、ゴーリーならではのアルファベット・ブック。
著者等紹介
ゴーリー,エドワード[ゴーリー,エドワード][Gorey,Edward]
1925年、シカゴ生まれ。独特の韻を踏んだ文章と、独自のモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表している。またエドワード・リアやサミュエル・ベケットらの作品の挿画、劇場の舞台美術なども手がけた。幻想的な作風とアナグラムを用いた(Ogdred Wearyなど)ペン・ネームを使い分けて、たくさんの私家版を出版したために、多くの熱狂的コレクターを生みだした。2000年4月15日、心臓発作のため死去
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
144
AからZまで、そのアルファベッドで始まる単語を挙げ、韻を踏んだ教訓めいた言葉と絵で綴られた手のひらサイズの絵本。ちなみに原書はマッチ箱サイズだったそうだ。とにかく柴田元幸氏の翻訳が楽しい。時にはことわざのようであり、またある時には川柳のようでついクスっと笑ってしまう。「L」のページで”なめたらあかん”と始まった時は思わず某キャンディーのCMを思い出してしまった。2003年に発刊された単行本なので、たぶん間違いなく柴田さんもそのCMが頭に浮かんだのではないかと思う(笑)2014/04/23
新地学@児童書病発動中
127
これは素晴らしい。ゴーリーらしい小さな小さな線画と、ユーモラスかつシュールな2行詩が一つになって、誰もまねできない世界を作り上げている。詩はきちんと韻を踏んでおり、よく読むと妙に納得してしまうものも多い(On any road / May sit a Toad 人も歩けば、蝦蟇に当たる)など。線画はゴーリー特有のホラー色が抑えられており、可愛らしいものが多かった。これまで読んだゴーリーの本のなかでは、これが一番良かった。 2015/03/31
藤月はな(灯れ松明の火)
96
ゴーリー展で読んだ時にサイズの小ささに戸惑ったけど、元は豆本だったと聞いて納得。ゴーリー版ヴィクトリア朝戒め本。「ゴーリーにしては言葉遊び多めで毒っ気が少ないな・・・」と思っていたら最後で納得。なんか、口に入れちゃって人体に悪影響を及ぼしそうなことを諌める文言系がイヤだな~2017/05/17
ひめありす@灯れ松明の火
74
小っちゃくて硬めの装丁に、さらにちっちゃい絵と本文。まるでドールハウスの中の絵本みたいだなあと思っていたら、もともとが豆本であったとの事。韻を踏んだ短い文章。ゴーリーにしては毒が薄かったので、あっという間に読めました。訳のわからない物もありましたが。ゴーリーは訳者に恵まれたのだなあとも思う。原文の雰囲気をそのままに訳してくれる訳者さんだったので。他の人だったら全く違う感じだったかもしれません。なのでこのコンビがいい。次は何を読もうかな。華々しき鼻血の予定でしたが、猫の本を見つけてしまい心が揺らいでいます。2017/01/07
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
72
☆5.0 タイトル通り雑多な内容のABC本。2021/07/11