映画狂人、小津の余白に

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  • サイズ B6判/ページ数 299p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309264899
  • NDC分類 778.04
  • Cコード C0074

内容説明

その後の小津論と、成瀬、清順、ロマンポルノetc.さらに…。映画(と状況)をめぐる、エッセイの最新集大成。

目次

1 小津の余白に(日本映画の黄金時代―溝口、小津、成瀬;ひたいの誘惑 ほか)
2 日本映画の転換期(鈴木清順そしてその沈黙のなりたち;加藤泰『陰獣』―単眼的世界のエロス ほか)
3 レンフィルム、そしてロシア映画(とうとうボリス・バルネットが登場した!;ソ連映画の発見と鎮魂―レンフィルム祭 映画の共和国へ ほか)
4 横断し、越境する映画(グリフィスは、たえず「来たるべき」作家である―『イントレランス』について;ラオール・ウォルシュ ほか)

著者等紹介

蓮實重彦[ハスミシゲヒコ]
1936年東京生まれ。映画評論・表象文化論・フランス文学者。前東京大学総長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

28
蓮實重彦がアメリカではなく、フランスでもなく、イギリスでもドイツでもなく、日本に生まれたこと。それがどれだけ映画をめぐる日本の論壇において(良い意味でも悪い意味でも)影響をもたらしたのか。それがこの本では見えて来る。主に小津とロシア(ソ連)の映画について語られた文章が収められているのだけれど、小津は日本というローカルな土地/辺境に生まれながら世界が共有する映画監督となった。ソ連の作家にしても、あるいはハリウッドを経由しなかったジャームッシュに対しても同じことが言えるだろう。辺境から世界へと蓮實は映画を論ず2018/11/04

踊る猫

27
小津に満ちた本である。真っ向から小津を語った論文があるから、だけではない。ジム・ジャームッシュやヴィム・ヴェンダースといった映画監督の中に小津の影を見出し、小津が世界が持ち得た天使のような映画監督だったことを確認しているからである。ここでの蓮實重彦は、我を忘れて映画に見とれているように映る。成瀬やボリス・バルネットを語り、エルンスト・ルビッチを語る時も自分自身の卑小なこだわりを捨てて、映画と融和しあう瞬間を求めているかのように振る舞っているように見えるのだ。この上ない快楽主義者でかつストイックの逆説的書物2021/03/18

tsukamg

3
70年代後半以降、雑誌や新聞などに書かれた記事をまとめたもの。小津安二郎のことだけではないが、小津が全体の太い幹になっている。映画は現象のように映画に『なる』ものであると、蓮實先生は考えているように思えた。都度『なる』ものなら、たしかにそれは、今のものである。小津も溝口も成瀬も。2021/07/30

yoyogi kazuo

0
表紙の原節子に惹かれて図書館で借り小津に関する部分だけ拾い読み。意外なほど真っ当なことしか書いていない印象。2022/01/18

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