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内容説明
たんなる飾りではなく、人間の真摯な希いが織り成した装飾美術。その多彩な表現から何が読み解けるのか。古今東西の装飾美術を駆けめぐる、軽やかな知の旅への誘ない。装飾美術時間紀行。
目次
ケルト文様の夢幻
組紐文様の呪力
聖なる動物たち
アカンサスの繁茂
ペイズリーの不思議な旅
グロテスクの奇想
メアンダーと女神
生命の花、睡蓮
飾りとしての女体
ロココ―草と花と貝殻と
カルトゥーシュの眼
驚異のドラゴン
星をめぐる物語
白鳥伝説
純潔と死のユリ
薔薇の秘密
鳥は神の使い
世界樹と生命の木
魚の輝くからだ
「曲線」の魔術
なめらかな楕円
装飾のコスモスへ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しろきいろ
6
図書館。面白い…この先生文章が上手で軽妙ですごく分かりやすいので他著も読まないとという気持ち。装飾と神話、なるほど。装飾はただの飾りではなく隙間を埋めるに止まらず、神話やそれ以前の人間の精神世界に分け入っていくようなシンボリズムに満ちていてそこにさりげなくあるだけで秩序を震わせる。ちょっと恐ろしい。古くからある動植物のモチーフ、はたまた曲線そのものが持つ豊かな意味の世界を身近に感じてとても楽しい2020/07/18
miloumogu
3
「人間は有限の存在であるがゆえ、それを『超えた』無限に憧れ」る「私であるものと私でないものとの『はざま』を生きるスリリングな生きもの」であり、人間・現実・現在を超えた「神々」「動植物」「怪物」などを「装飾/文様」にして思いを託す・・・前書きをじっくり読み図版が豊富な本編を味わうことで、神話の世界をより現在とつながりを深めながら読むことが出来た。2010/10/18
右脳
1
アイルランド留学の際に訪問した「国立装飾美術館」"National Museum of Decorative Arts & History"で目にした聖遺物から生活用品まで人を取り囲む物々に施された装飾。何気なく目にしながらそのカタチが表すものを気に留めてこなかったことに気付かされてからいつか勉強しようと思っていた。本書はこの知識欲に応える絶好の一冊だった。ケルズの書に代表される宗教的意義を持つ装飾から植物・動物をモチーフとした身近な装飾まで、その歴史と創りあげた人々が装飾に込めた願いを説いてくれる。2016/05/10
nubonba
0
良著2008/05/19