内容説明
「ルネサンス」「マニエリスム」「バロック」「後期バロック」の絵画、建築、彫刻の歴史的な流れを文学の流れに関連づけ、通底する観念の型、それぞれの様式の全貌を明らかにしようと試みた不朽の名著!
目次
序章 形のアナロジー
第1章 ルネサンス(ゴシック世界―問題提起;ルネサンスの構図)
第2章 マニエリスム(崩れたバランス;劇的手法;リアリティの位層転移)
第3章 バロック(エネルギーによる解決;バロックとアカデミック;バロックからキッチュへ)
第4章 後期バロック(「新古典主義」の伝統;心理的シンメトリー;後期バロックの精錬作用―ラシーヌ)
感想・レビュー
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あかふく
2
ルネサンス様式からマニエリスム様式、バロック様式、後期バロック様式という様式についての歴史、つまり「様式史」についての記述。「様式」とは芸術作品(絵画や建築のみならず)の描き方(書き方)、見方にあるある種の「構図」であり、それは「既に見たものをどう表現するかの技法である。」ゴシックの通りの良い構図の作り方から閉ざされたルネサンスの構図へ。トレント宗教会議を背景としながら精神と肉体の狭間で苦悩し曖昧な形式を使ったマニエリスム、同様の背景を持ちながら肉体へ寄ったバロック、そのアカデミックな継承の後期バロック。2014/01/09