出版社内容情報
さまざまな分野と交差することで演劇を社会と接続し、世界的に評価される演出家・高山明=Port Bによる、現代社会=演劇論!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ema
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ボリューミーだから諦めていたけどGWを使ってやっと読めた〜これからの演劇のあり方や、社会とのアートの関わり方を模索している人には是非入門編として読んでほしい。高山さんの作品をほぼ知っている身としては、なるほど納得、こんな理論で今までの作品は繋がっていたのねと合点が通るのだけど、本人は実践が先に来ていると述べていてその部分はすごくアーティストらしいなと思うなど。ナチスの演劇利用、ワーグナーの劇場変革、ブレヒトの演劇論がどう今後の世界に生かせるか、自分の身近に引き寄せて考えられる演劇論だった。2022/05/08
阿部
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PortBの高山明が、自身の体験・偶然をどのように演劇史と結びつけながら実践してきたかという回顧エッセイ。ある意味、高山明の演劇入門。といっても教え諭すような様子はない。シアターの語源は客席だということはよく知られているけど、そのことをどう自己の創作に結びつけるか、ひとりの人間の思考過程をここまで粛々とたどるものは多くない気がする。背景→理論→演習のようなかたちで紹介されるワーグナープロジェクトが面白い。だが、彼の視界にはいま生きている人間の描写が希薄だとも思った。2021/11/18