江戸の動植物図譜

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  • サイズ B5判/ページ数 127p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784309255606
  • NDC分類 721.025
  • Cコード C0070

出版社内容情報

花鳥、獣、虫、魚介……江戸期に盛んに描かれた、精緻かつ美しい動植物画の世界。ユニークな日本美術史の一ページ。オールカラー。

【著者紹介】
1947年生まれ。京都国立博物館勤務(美術室長・京都文化資料センター長)を経て、同志社大学文化情報学部教授。専門は桃山絵画・江戸絵画。

内容説明

花、鳥、獣、虫、魚、奇鳥・珍獣…驚異の精密写生に眼が離せない!オールカラー、貴重な彩色図を多数収録。自然を愛し生き物を愛した、元祖ナチュラリストたちの世界―江戸博物学の集大成。

目次

植物図譜(『草木写生春秋之巻』狩野重賢;『植物写生図帖』松平頼恭 ほか)
鳥類図譜(『百鳥図』増山雪斎;『奇鳥生写図』河野通明ほか ほか)
獣類図譜(『外国珍禽異鳥図』編集未詳;『写生物類品図』編者未詳・服部雪斎ほか)
蟲類図譜(『蟲譜圖説』飯室昌栩;『千蟲譜』栗本丹洲・服部雪斎 ほか)
魚介類図譜(『日東魚譜』神田玄泉;『魚譜』栗本丹洲 ほか)

著者等紹介

狩野博幸[カノヒロユキ]
1947年福岡県生まれ。同志社大学文化情報学部教授。九州大学文学部哲学科美学・美術史専攻卒業、大学院博士課程中退。京都国立博物館学芸員を経て現職。若冲再評価の立て役者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

むぎじる

39
被写体を写真や動画で残すことができなかった時代に、これだけ詳細な絵を描くことができたことに感動した。歴史的な難しいことは置いておいて、美しい動植物たちをながめて楽しむことができた。お気に入りは、『小おもと名寄』で描かれている素敵な鉢の数々。七面鳥のような「ヒクイドリ」。江戸時代から現在まで、そのままの形を伝えている「河童」。2015/08/13

やどかり

28
細かいところまで観察して描かれた絵がどれも素晴らしい。今のように絵の具もなかった時代によく色彩を再現したなぁ。昔はカメラもないし、保存するには手書きするしかなかったからこその観察眼なのだろう。細かい絵がほとんどのなか、河童とセイウチの絵が、がんばった感が出ていておもしろかった。2016/01/31

かわうそ

24
日本画の品に憧れる。特に田中一村と伊藤若冲が好き過ぎて困る。書や器にも通じそうな厳しい線が美しい。本書はタイトルにある通り、古き良き昔の日本で描かれた自然図鑑だ。写真とまでは言えないが、真剣に観察された、怪しい迫力のある草花、鳥、魚。ケミカルな顔料も無かった故の、良い意味で抑制された色彩。見ていて本当に楽しくなる一冊だった。特筆すべきはカジキ、カメ、そしてカッパだ。ご覧になるとわかる。ちょっと待て。と言いたくなるだろう。他のクオリティからしてのこの抜き具合。謎の妖怪辞典が付録に付いてるかのお得感。好きw2016/02/25

バニラ風味

23
もう、表紙からして素晴らしい。享保20年、幕府が領内の津々浦々、全ての、産物を藩に報告することになった。それを機に、大名、武士をはじめ、一般の民も動植物をよく観察し、精細な模写をするようになり、動植物の木版画も刊行される。転写のものも多いが、それしか写す方法がなかったので仕方ないこと。草木、鳥類、獣類、蟲類、魚介類の図譜、全てカラー。写真のように緻密なもの、水墨画のような味わいのあるもの、どんな人がどんな風に観察して描いたのか…。沢山の図譜を集めて、こうやって出版したことも素晴らしい。2015/11/19

小鈴

16
江戸太平の世の中だからこそ動植物図譜が流行る。もちろん役に立つからなのだが、人びとの好奇心にも支えられて。障壁画で有名な狩野探幽は、毎日持ち込まれる中国・日本の絵画を簡単に模写し寸評を加えることを課していた。膨大な模写と写生が探幽の美を支えている。花鳥風月の花と鳥のこの充実ぶり。日本画はこの写生を踏まえて形式化してるんですねぇ。私としては奥倉辰行や栗本丹洲の魚類に惹かれた。翻車(まんぼう)考。マンボウはウキキ(浮亀)、ウキギ(浮木)ともいう。2015/10/01

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