出版社内容情報
10代の脳、双子の謎、知覚の不思議、性的指向、AIと心……神経科学者のドリームチームが語る、研究の一番面白いところ37話。
内容説明
眼は何を見ているのか?なぜ時間は長く感じたり短く感じたりするのか?セクシュアルな広告はなぜ効くのか?薬物依存は治らないのか?脳はどうやって声を聞き分ける?コンピューターは脳になれない?…。科学界のエンターテイナー、リンデン教授が最強のドリームチームを結成!基礎から最先端まで、目からウロコの37話。
目次
はじめに
1 発達と可塑性
2 脳のスペック
3 知覚と運動
4 脳の社会性
5 思考と判断
著者等紹介
リンデン,デイヴィッド・J.[リンデン,デイヴィッドJ.] [Linden,David J.]
神経科学者。ジョンズ・ホプキンス大学医学部教授。主に細胞レベルでの記憶のメカニズムの研究に取り組むとともに、脳神経科学の一般向けの解説にも力を入れている
岩坂彰[イワサカアキラ]
1958年生まれ。京都大学文学部哲学科卒。編集者を経て翻訳者に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
75
神経科学者に世の中に向けて一番語りたいことを自由に話してもらい、ジョンズホプキンス大学教授の著者がうまくまとめている。やはり研究内容よりなぜそれを研究しているのか、それによって何を変えようとしているのかというビジョンが興味深い。脳は身体と密接に関連していて、脳だけ冷凍保存していても違う身体では違う人間になるということや知覚はこの世界を種の保存に適した方法で解釈しているという視点が面白い。やっぱり生存と生殖が生物学的に進化を考える上で最も大事なもの。ひとが食べることとセックスに興味が湧くのは種の宿命でしょ。2020/02/08
Vakira
49
探求心で様々な知識を収集した結果、生物が生存、継続するためには食と生殖。そして新たな食と異性との出会いを求めて生存地域の拡大。現在、未来、冒険(旅立ち)。その3つが生物の基本行動だと思う。そのために脳は進化してきた。しかし判らないのは愛だ。愛なんてSEX(自分永続)の言い間違いと思っていたら愛は生命を超える。ある一人の異性を思い、一緒になれなければ死を選ぶほど情熱を燃やすケースが存在する。自分の本能遺伝子が選んだ相手ではないと自分の遺伝子は将来存在しなくていいとの決断だ。何故人間の脳はそんな進化をしたのか2020/04/15
Isamash
33
編著者はデイヴィッド・J・リンデン・ジョンズ・ホプキンス大医学部教授。2018年出版の訳本。米国の多くの脳研究者がトピック的な話を提供。最近の脳研究に関しては未知で大変に面白かった。例えば、身体の発達が実は神経系の発達を導く即ち一人一人の体と行動・経験に合う様に脳が形成されるらしい。異性が好きか同性が好きかは胎児期乳児期のホルモン暴露で定まる仮説、乳児の脳のシナプスは1週間で25%が入れ替わること、同じシナプスで複数の神経伝達物質を使ってることも有る、人間のみならずサルもラットも仲間を助けること等が紹介。2022/05/11
りょうみや
25
脳は人間そのものであるとも言えるし、身体の一部にすぎないとも言えることが分かる。40個ものトピックスがあり隈無く読めば、生理学、発達心理学から人工知能まで脳のことが一通り分かるけど、個別では物足りなくも思える。とても分かりやすいトピックもあれば、専門用語を多用し難解なものもある。総じて言えばやっぱり脳は面白いし本書は面白く読める。2020/02/18
petitlyz
18
【図書館で借りた】40人もの神経科学者の数ページ程度の章が展開されている。難しいところもあったけれど、印象的だったところ。①「意識的行動も大部分は習慣」私の読書の習慣は無意識なのかもしれない。②「美人はなぜ美しいのか」平均的で左右対称の顔が魅力的。美しさについて考えていない時でも人は美しい顔に反応する。③エピローグ:人は無意識の強力な動因に従っている。主に生存と生殖。人の神経や行動はとても複雑で不思議だけど、シンプルな原点もあるんだなって面白かった。2022/05/19