水と人類の1万年史

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  • サイズ B6判/ページ数 493p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309252636
  • NDC分類 517.2
  • Cコード C0044

内容説明

古代文明から現代まで、世界各地で人類はいかに水を手に入れ、利用し、干ばつや洪水に立ち向かってきたのか?考古学や気候学を駆使して、生存に欠かせない水と人類との驚異的な関係を地球規模で描いた名著。

目次

第1部 運河と用水路、そして水田(生命の万能薬;農耕民と用水路;「水路がある者は女房がいる」;「すべて失われしもの」―ホホカムの潅漑システム;水の権力―バリ島)
第2部 はるか遠方からの水(エンリルの土地―メソポタミアの地下水利用;エンキの国―シュメールの潅漑技術;「われは水路を切り開かせた」―アッシリアの水道橋とカナード;ゼウスの水―古代ギリシャの給水システム;ローマの水道)
第3部 貯水槽とモンスーン(浄化する水―インダス川とモンスーン;中国の悲しみ―黄河の氾濫)
第4部 古代アメリカの水理学者(睡蓮王―マヤ文明と人工の貯水池;重力の勝利―重さを用いた水管理)
第5部 重力とその先へ(イスラームの水―類まれな水管理;「一〇〇人力よりも確実」―ヨーロッパの揚水技術;人類は水を支配したのか?)

著者等紹介

フェイガン,ブライアン[フェイガン,ブライアン][Fagan,Brian]
カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校の人類学名誉教授。イギリス生まれ。アフリカでフィールドワークに取り組み、初期の人類や法医考古学といった多くのテーマの著書をもつ。気候変動と人間社会の関係についての著名な研究家のひとりである

東郷えりか[トウゴウエリカ]
上智大学外国語学部フランス語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyoshi Hirotaka

27
蒸気機関とタービンポンプにより地下水の利用が始まるまでは、水を運搬するには重力以外に手段がなく、水がどこをどう流れるかを常に意識して暮らしていた。砂漠や高地に起きた古代文明は優れた水利システムのおかげで栄えたが、一方でそれが維持されずに滅びた。水と文明の寿命は一致する。現代でもダムや護岸による川の制御により土壌や漁場が疲弊するのと同じ。どれだけ努力しても水はそれ自体の力で管理されており、人間による管理に抵抗する。水や土壌の移動は困難。それらの資源を枯渇させずに恒久的に使える状態にすることがこれからの課題。2015/07/25

壱萬弐仟縁

6
快楽、神聖な水(11ページ)だが、評者はビジネスに利用される資源としての水を思う。砂漠の民は1日10㍑発汗(39ページ)。文明は大河なくして興らない。3.11で原発からは水を汚す。文明は水に始まり水に終わってしまうのだろう。このままでは。歴史ある他の生命体に不可欠な水を人類だけで専有してはならぬ。バリ島の棚田写真(137ページ)。農業の為の灌漑(178ページの図示など)。高校地理や地理学で習うカナート(207ページ)。仏ガール水道橋(256ページ)。寒さで水道管破裂の工事をこの間していたなぁ。水車も登場。2013/01/14

メルセ・ひすい

2
15-160 何千年にわたる人と水の関係について語る。古代から中世、そして現代まで、人類を飢えや病から救い、繁栄をもらたしたのは、巧妙な水管理のシステムだった。考古学や気候学を駆使しながら、水に育まれ、翻弄された人類の命運を探る。気候変動、重力、人間による自然環境の改変、技術革新や儀式、宗教信仰などが複雑に入り混じっている。紀元前七千年以前・現存する最古の井戸がキプロス島に掘られる。紀元前二千二百年・中国の水利技術先駆者の大禹タイウが活躍した。スペインのセコビアに送水路建設。1936年フーヴァー・ダム建設2012/05/12

ポルターガイスト

1
ずっと前に気になっていたがいつのまにか廃盤になっていた本を中古で取り寄せて読んだ。うーん微妙。テーマが壮大すぎてまとまってない印象。なんとか統一性を出すために筆者の問題意識が前面に押し出されているがやりすぎていて強引さが否めない。似たような話の繰り返しも多く退屈に思う人も多いだろう。飲料水の話をもっと聞きたかったが治水や農業用水の話が中心。まあこれは使用割合を考えれば当然ではあるが,そもそも水自体にいろんな論点がある中で,焦点化がうまくいっていないからこのような不満が出るのではないかと思う。2023/08/16

1
以前の職場で教養として読んだ本を改めて自分で購入。 生きるに欠かせない水の為、人が何をしたかの物語としても読める。2019/11/05

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