血液の歴史 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 486p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309252308
  • NDC分類 491.321
  • Cコード C0040

内容説明

この不思議な液体と医学、文化、戦争、国家、経済などとのかかわりのほか、肝炎やエイズ禍、そしていまや巨大なビジネスとなった血液産業など、血液の歴史をすべて俯瞰した決定版。

目次

第1部 血液と人間(十七世紀の輸血―おとなしい家畜の血を人間に;瀉血万能の時代;近代的輸血医学の幕開け―輸血方法の改善、血液型の発見、抗凝固剤の開発)
第2部 血液と戦争(血液供給システムの整備;大戦前夜;戦争と血液―大量生産される戦時物資、血漿;血液製剤の開発―負傷兵にアルブミンを;前線は全血を要求する)
第3部 血液と経済(内藤良一―戦後日本血液事業の雄;エドウィン・コーン―人類に血液成分療法をもたらした人物;血は商品か?―五〇年代‐六〇年代の血液事情;血液業界と肝炎―一九七〇年代アメリカの血液事情;国際化する血液産業;血液産業複合体―アメリカと世界を結ぶ血漿ネットワーク;エイズ発生;検証―なぜ有効な薬害エイズ対策がとられなかったのか;裁きの日;エピローグ―アフター・デイズ)

著者等紹介

スター,ダグラス[スター,ダグラス][Starr,Douglas]
ボストン大学のジャーナリズム学科教授。環境、医学、科学をテーマに数多くの記事を『スミソニアン』誌や『オーデュボン』誌などに発表している。1996年には神戸で開かれた薬害エイズ国際会議にパネラーとして参加し、「拡大化した血液産業の歴史」と題する講演を行った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

磁石

10
瀉血。血は出せば出すほど健康になる。古代のこの治療法の反発として、輸血が発達してきた。はじめは、血には持ち主の性質が宿ると信じられており、精神治療の一環として輸血された。また血液は赤ければ皆同じと思っていたのか、動物の血を人間にダイレクトに注ぎ込んだ。もちろん結果は惨憺たるもの。でも、血液型の発見・抗凝血剤の開発・血液銀行の布設・血液の分画処理・針とチューブが一体となったプラスチックパックの発明などなど、多くの人に輸血できるよう努力が重ねられた。死体や胎盤からも血液を確保できた。ただ、問題はまだまだ山積。2014/12/12

wasabi

5
古代ギリシャからの伝統で身体の不調の際は抜くものであった血液(瀉血)が、逆にいの一番に補給するべき重要さを見出され、医療の中で最重要の「商品」となっていったここ三百年の歴史。おもしれー。2015/08/30

いずみ

2
改題前の「血液の物語」で読みました。血液の科学本と思いきや、血液ビジネスに伴う薬害にまで話題は及び、背筋がぞくぞくっと…止血剤も血液製剤だ。それを使って生き延びたのに新たな病気に脅かされるなんて。医薬にかかわる分野に利害を持ち込んではやはりいけない。何かが歪んで、結果として害悪をもたらすモノになりかねないと思った。

アドルフヒトラー

1
1999年に書かれた本なので情報は少し古いが血液に関する病がどのようにして広がっていったかかなり詳しく書かれている(3部480Pあるが4割程度がその事) 何故輸血によってエイズやその他感染症が広まっていったのか それに大きく関係しているのが国の輸血システムで多くは国の輸血システムが改善されていれば感染拡大を防ぐ事が出来ていた 血液は多くの国で神聖化されていたので安易にシステムを変える事が出来なかった 2017/07/08

ぬまけん

0
A2018/09/29

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