内容説明
際限のないテクノロジーの進歩や経済の拡大を続ける今日の社会。人間も、どこまでも成長を続けなくてはいけないのだろうか?それとも、「これで十分だ」と言うことができるのだろうか?言うべきなのだろうか?遺伝子操作、ナノテクノロジー、ロボット工学。科学技術により激変する未来を見据えて今、何を志向すべきかを問う画期的な書。
目次
第1章 行きすぎ(人間であることの意味;人間の体を変える―ヒト遺伝子操作 ほか)
第2章 さらに(急速に進むテクノロジー;ムーアの法則 ほか)
第3章 もう十分か?(現状は本当に十分なのか;人間という存在 ほか)
第4章 「もう十分」は可能か?(テクノロジーの統制;統制は可能か ほか)
第5章 もう十分だ(テクノ熱狂者の信条;抑制という力―「ノー」といえる人間 ほか)
著者等紹介
マッキベン,ビル[マッキベン,ビル][McKibben,Bill]
ハーヴァード大学卒業と同時に「ニューヨーカー」誌のスタッフライターの地位を得る。地球温暖化問題を早期に警告し、環境破壊の現在と未来を論じた『自然の終焉』は15ヶ国以上に翻訳され、世界的なベストセラーとなった
山下篤子[ヤマシタアツコ]
翻訳家
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感想・レビュー
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姉勤
23
2005刊。G(gene:遺伝子)N(nano-technology:ナノサイズの技術)R(robot-engineering:ロボット工学)。GNRの進歩によって人間の飛躍的進化、不老不病不死が叶う理想の未来。四苦の忌諱、子への高い能力の獲得を欲する本能が、遺伝子を改造しサイボーグとなり体内のナノマシンが病と怪我を治療する。まさに”度一切苦厄”。自在を、苦痛や死を、そして人間のカルマから解放されたヒトは、すでに人の形、心を持っていないのではないか。現行人類のの破滅を危惧し、足るを知ることが可能かを探る。2015/10/10
海野藻屑
2
夢も未来も金で買えと。2017/05/02
de sang-froid
1
実際に遺伝子解読が進み、既に精子バンクなどの活用も進んでいる現状にあってはいささか感傷的な内容といえる。体細胞の遺伝子操作はいいが、生殖系はダメだ、など中途半端さも感じさせる。人間としてありふれた幸せに満足せよという著者の言い分はわからないでもないが、説得力に欠ける。もう少しその危険性の根拠なり可能性をあげ、詳しく解説して欲しい。2009/07/27
すぐる
0
◎:遺伝子操作が進むことで人間社会がどのようになっていくのかを考えた内容です。2013/12/24