内容説明
血液はなぜ巨大なビジネスと化したか。この“不思議な液体”と医学、文化、戦争、国家、経済とのかかわり、そして肝炎やエイズ禍、拡大化した血液産業など、血液の現状に警鐘を鳴らした全米で話題の書。日本を含む世界9か国を取材し、6年という年月をかけた第一級の大型ノンフィクション。
目次
第1部 血液と人間(十七世紀の輸血―おとなしい家畜の血を人間に;瀉血万能の時代;近代的輸血医学の幕開け―輸血方法の改善、血液型の発見、抗凝固剤の開発)
第2部 血液と戦争(血液供給システムの整備;大戦前夜;戦争と血液―大量生産される戦時物資、血漿;血液製剤の開発―負傷兵にアルブミンを;前線は全血を要求する)
第3部 血液と経済(内藤良一―戦後日本血液事業の雄;エドウィン・コーン―人類に血液成分療法をもたらした人物;血は商品か?―50年代‐60年代の血液事情;血液業界と肝炎―1970年代アメリカの血液事情;国際化する血液産業;血液産業複合体―アメリカと世界を結ぶ血漿ネットワーク;エイズ発生;検証―なぜ有効な薬害エイズ対策がとられなかったのか;裁きの日)