出版社内容情報
古代史最大猪謎の神を、高天原、京、出雲、関東、奈良から、またソガの神社、氷川神社から探る。何処から現れ、何処へ向かったのか。
内容説明
日本神話最強の神にして悲劇の叛逆神、最大の祟り神。スサノヲはどこから来てどこへ消えたのか?―その多層的な神の謎をついに解く!
目次
第1章 高天原篇 異端児として生まれたスサノヲ…日月星辰の原理(スサノヲ、高天原へ;スサノヲが犯した日本人の原罪 ほか)
第2章 京都篇 怨霊神となったスサノヲ…祇園会にみる都人の恐怖心(「祇園神」の由来;「祇園祭」の意義 ほか)
第3章 出雲篇 ヤマタノオロチを退治したスサノヲ…英雄か梟雄か(禊から始まる出雲神話;出雲へ降って変身するスサノヲ ほか)
第4章 関東篇 関東の開拓者となったスサノヲ…蓬〓山を求めて(富士山の都;四方拝の示唆するもの ほか)
第5章 大和篇 オオクニヌシに国譲りしたスサノヲ…イヅモ族の発祥(スサノヲが献上した“草薙剣”;〓霊剣の謎 ほか)
著者等紹介
戸矢学[トヤマナブ]
1953年、埼玉県生まれ。國學院大学文学部神道学科卒。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はるわか
13
「国譲り」はなく、古き民(伊豆毛=スサノヲ)は新興国家ヤマトとの抗争に敗れ、大和三輪の地を追われ、山背へ、そしてイズモ(出雲)へと追いやられた。建国時にこの列島に居住し、ヤマト言葉を用いて、天皇霊にまつろう人々を「ヤマト民族」と定めた。しかしそのためには比較するために貶める犠牲者が必要であった。「異質な神」という存在はヤマト建国の保証となったのだ。ヤマトの神々を正当化するために、スサノヲは祟る神、荒ぶる神として人身御供とされた。そんなスサノヲを「古事記」は礼賛(鎮魂)し、「日本書紀」(藤原氏)は排除した。2023/08/04
スプリント
9
スサノオの伝説を読むとギリシア神話のヘラクレスが思い浮かびます。 たくさんの神社や神宮が紹介されています。2020/10/22
夢見堂
2
戸矢先生の素盞嗚に対する考えのまとめとなる本でした。氷川神社など馴染み深い神社のお話や蘇我氏との関係、御霊信仰、アラハバキ、蓬莱山を求めた徐福一行が富士を蓬莱山と見立て関東を拓いてという話には風水学的にぐうの音もでない。また富士信仰がかなり多いのに記紀には富士山の描写がないという指摘にはハッとさせられた。あとがきにある原罪については聖典三書よりも拝火教を連想もしたが、それでも日本の絶対悪を作らず二面性を持たせあまつさえ信仰することにより昇華させようとするさまは凄いと思う。が大祓詞は思ってたより過激だった。2022/08/25
Musa(ムサ)
1
荒ぶる神と大英雄二つの面を持つスサノオの正体に迫る一冊。著者の推測などが多々あり、あくまで話半分といった感じですが、蘇我氏との関係など非常に興味深い内容でした。2020/12/19