医者は患者をこう診ている―10分間の診察で医師が考えていること

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医者は患者をこう診ている―10分間の診察で医師が考えていること

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  • サイズ B6判/ページ数 440p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309248097
  • NDC分類 498.13
  • Cコード C0047

出版社内容情報

医者は日々どんなことを考え、どのように診断をくだしているのか? 医者の思考過程を通して、医療制度のあるべき姿を考える。

内容説明

ある日の午前中、著者は18人の患者を診察する。ドアをあけて入ってくるのがだれであり、なんの病気であるかはわからない。複雑な医療制度のなかで、時間に追われつつも、患者を一人一人の人間として見つめ、より良い医療を求めて苦闘する医師の知られざるドラマ!

目次

はじめに―午前の診察の前に
〇七時三〇分 ミスター・W・E(胸の痛み)
〇七時四〇分 ミスター・N・B(直腸出血)
〇七時五四分 ミズ・A・F(喉の痛み、妊娠能力の質問)
〇八時一〇分 ミスター・N・A(心血管疾患の予防、足底筋膜炎)
〇八時二三分 ミスター・E・K(うつ病、自殺懸念)
〇八時三八分 ミズ・A・W(病気証明書、腰痛、腹痛)
〇八時五二分 ミセス・J・I(複数の問題)
〇九時〇五分 ミズ・J・B(頭痛)
〇九時一八分 ミスター・A・B(来院せず)
〇九時二〇分 ミスター・G・B(発疹)
〇九時三二分 ミセス・M・R(転倒)
〇九時四八分 ミスター・E・B(疲労感、TATT)
一〇時〇一分 ミセス・C・H(甲状腺機能低下症)
一〇時〇六分 ミスター・D・G(前立腺検査)
一〇時二〇分 T・Bくん(上気道炎)
一〇時二七分 R・Cちゃん(細気管支炎)
一〇時三七分 ミス・G・O(尿路感染症)
一〇時四二分 ミスター・C・P(麻薬の要求)
午前中の診察を終える

著者等紹介

イーストン,グレアム[イーストン,グレアム] [Easton,Graham]
GP(家庭医・総合診療専門医)として診療している。英国家庭医学会最高名誉正会員・専門医。インペリアル・カレッジ・ロンドン医学部で初期研修医のためのプログラム・ディレクターを務め、家庭医療・総合医療を学ぶ医学生や若手医師の指導にあたっている。医学の専門知識をもたない一般の人々に医学の情報をわかりやすく伝える役割を20年にわたってはたし、BBCラジオの科学部門でシニア・プロデューサーとプレゼンターを務めるほか、BBCラジオ4の医療情報番組「ケース・ノーツ」などの番組にも出演

葛西龍樹[カッサイリュウキ]
1957年新潟県生まれ。横浜翠嵐高等学校、北海道大学医学部卒業。カナダ家庭医学会認定家庭医療学専門医課程修了(ブリティッシュ・コロンビア大学)。医学博士。1996年北海道家庭医療学センター設立。2006年から福島県立医科大学医学部地域・家庭医療学講座主任教授。英国家庭医学会最高名誉正会員・専門医(FRCGP)。日本プライマリ・ケア連合学会理事(国際キャリア支援委員会委員長)

栗木さつき[クリキサツキ]
翻訳家。慶應義塾大学経済学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

袖崎いたる

9
イギリスの医療事情が冒頭で述べられている。なるほど、あちらでは医療費が無料である代わりに、公共予算の無駄がないように費用対効果の高いサービスをしなければならないという意識があるので、ある種の番人的な全般医がいて彼から専門医を紹介してもらうという形で患者は審査を受けるような形になるらしい。そこの所の事情の違いを日本の読者に向けて紹介してくれているのはありがたい。そしてどちらも一長一短があるという指摘も痛み入る。本文では個人的な関心からうつ病の患者の診察のみを読んだが、断定的因果系には懐疑的であれには納得。2017/07/19

coldsurgeon

6
イギリスのGP(general practitioner、家庭医療・総合診療医)によるGPの診療風景を物語風に綴ったものである。診察時に科学的な視点で臨床研究のエビデンスや診療ガイドラインを念頭に合理的に判断し、診療してく。また患者の置かれた状況に注意と敬意を払い、彼らの意向にできるだけ寄り添い共通の理解基盤を見出し、診断や治療の計画を決めていく姿勢は学ぶべきである。さらに、医療は公共財であるということを、日本の医師以上に意識して診療することには感服する。かかりつけ医の見本だと思う。2018/05/10

takao

3
ふむ2022/07/18

Tomomi

1
イギリスのかかりつけ医者であるGP(General Practitioner)として診察する著者が実例も含めて症例をつなぎ合わせて作成した18例の患者との関わりを書いた本で分厚い。読み進める内に医者の自己礼賛を読まされている気分になったのと、イギリスの話で自分に引き寄せられず途中でやめた。2018/01/27

Jey.P.

0
イギリスの総合診療医の(架空の)診察記。以前NHKでやっていた「総合診療医ドクターG」のように手がかりから病気を探り当てる推理のようなものを想定していたが、実際は患者の話を引き出し、指示するのではなく共に治療に取り組むことが重視されており、最近読んだコーチングの本に通じるところがあった。そのための細かいノウハウも読み取れる。医者のようなクライアントよりも圧倒的にスキルや知識のある立場で、かつ医療のような失敗のリスクの高い事例に対しても、このようにクライアントの主体性を尊重していることは興味深い。2021/03/19

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