死してなお踊れ―一遍上人伝

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  • サイズ B6判/ページ数 248p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309247915
  • NDC分類 188.692
  • Cコード C0010

出版社内容情報

壊してさわいで燃やしてあばれろ! 踊り念仏の一遍がダメな者たちをこそ救うためにアナーキーに甦る。注目の著者による渾身の力篇

栗原 康[クリハラ ヤスシ]
1979年生まれ。著書に『大杉栄伝 永遠のアナキズム』『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』『働かないでたらふく食べたい』など。

内容説明

家も土地も財産も、奥さんも子どもも、ぜんぶ捨てた一遍はなぜ踊り狂ったのか―いま最高度に注目される思想家による絶後の評伝。

目次

第1章 捨てろ、捨てろ、捨てろ(殺っちまいな!がまんがならねえ、打倒平家の狼煙をあげろ;御恩も奉公もしったことか、オレはなんにもしたがわないぞ ほか)
第2章 いけ、いけ、往け、往け(オレもおまえもダメなんだ、捨てちまいな;上でもなく下でもなく、右でも左でもなく、ただただひたすら前へつきすすめ ほか)
第3章 壊してさわいで、燃やしてあばれろ(他人がどうおもうかじゃない、おまえがどうおもうかだ、どううごくかだ!;一遍上人はテルマエ・ロマエだ ほか)
第4章 国土じゃねえよ、浄土だよ(ボヤボヤしてたらおいてくぞ;念仏はオレの命だ、それを禁止するというのであれば、どこにもいき場所なんてない、いまここで死んでやる!! ほか)
第5章 チクショウ(自然にも意思がある、すべては無償のほどこしだ;コメだせ、コメだせ、コメをだせ乞食にコメを食わせやがれ ほか)

著者等紹介

栗原康[クリハラヤスシ]
1979年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

88
「わたしはセックスが好きだ」で始まるお坊さんの伝記は前代未聞であろう。しかし歴史の授業で軽く触れられる程度ながら、アナーキーな印象である「踊り念仏」の一遍上人なら、こんな書き出しでもカオスの中に絡めとる気がする。一遍という人は、親鸞や日蓮、道元のように、映画で二枚目俳優に演じられていない。ウド鈴木主演の映画がひとつあるだけだ。一遍を主人公にした文芸作品も乏しいが、代わりにこんな熱いパッションの伝記(しかも小説よりも読みやすく面白い)がある。一遍さんを「自分だけのヒーロー」にして暮らすのも悪くないと思う。2020/11/08

harass

78
ようやく読むことができた。ひいきにしているアナーキズム研究者のなんと一遍上人の評伝。一遍の生涯を独特の文体?で描く。一遍については日本史で名前を知るぐらいだった。このひらがなの多めで書き手の合いの手が入る文体は前作の伊藤野枝伝でお馴染み。人によっては拒絶するかもしれないが、軽くグルーブ感のある読書は面白い。浄土宗の念仏を唱えるだけで救われるという考えから、すでに皆は救われていてそれに気がついていないだけだ、とする一遍の考えにちょっと驚く。何もかも捨ててただ踊れと、自ら実践した一遍はある種のアナーキズムだ。2017/08/30

fwhd8325

52
皆さんの感想にもあるように、まさしくロックの世界でした。念仏もソウルの叫びと思えばいいのだ。激しく心を揺さぶられるけれど、そこに宗教特有の押しつけは全くない。むしろ、せせこましい考えに固執しないことを是とするように教えられたようだ。2018/01/08

ばんだねいっぺい

44
 これは、凄くいい。影響を受けてしまいかねないラインがたくさん。一にして遍く。「踊り念仏」の一遍上人の生き様を現代的な口語体で、ロックスターのように描いたもの。「捨ててこそ」が本領だが、それでよしでもないところがなんともいえずよい。2019/10/20

おかむら

42
一遍上人の評伝。正直さほど興味なかったのたけれども「村に火をつけ白痴になれ」の著者のやつなので読んでみる。目次のとこからすげーたのしー。やっぱたのしーこの文体。踊り念仏と文章のリズムがちょうどいい感じ! いいねー一遍! いいねー栗原康!2017/05/11

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