出版社内容情報
アルツハイマー病の患者、戦争の心的外傷被害者……新しい人格が、脳の損傷からつくられる可能性を思考する哲学書。千葉雅也氏絶賛!
カトリーヌ・マラブー[マラブー,カトリーヌ]
1959年生まれ。哲学者。英キングストン大学近代ヨーロッパ哲学研究センター教授。訳書『ヘーゲルの未来ーー可塑性・時間性・弁証法』『わたしたちの脳をどうするかーーニューロサイエンスとグローバル資本主義』。
平野 徹[ヒラノ トオル]
1967年生まれ。ストラスブール大学哲学部修士課程中退.仏語翻訳者。訳書にCh.ドゥローネ『ジャンゴ・ラインハルト伝』。
内容説明
過去も幼児期も個人史もない新しい人格が、脳損傷からつくられる可能性を思考。フロイト読解をとおして、現代の精神病理学における、“性”から“脳”への交代現象の意義を問う画期的哲学書。
目次
序論
第1部 神経学の下位におかれる性事象(因果性の「新しい地図」;脳の自己触発;脳損傷―神経学的小説から意識不在の劇場へ;先行段階なき同一性;精神分析の異議申し立て―破壊欲動なき破壊は存在しうるか)
第2部 脳事象の無力化(フロイトと“あらかじめ存在する亀裂の線”;心的出来事とは何か;「リビドー理論」そして性事象の自身に対する他性―外傷神経症と戦争神経症を問い直す;分離、死、もの フロイト、ラカン、出会いそこね;神経学の異議申し立て―「出来事を修復する」)
第3部 快原則の彼岸をめぐって―実在するものとしての(治癒や緩解には最悪の事態を忘れさせるおそれがある;修復の両義性 弾性から復元性へ;反復強迫の可塑性へ;偶発事故の主体)
結論
著者等紹介
マラブー,カトリーヌ[マラブー,カトリーヌ] [Malabou,Catherine]
1959年生まれ。哲学者。現在、英キングストン大学近代ヨーロッパ哲学研究センター(Center for Research in Modern European Philosophy)教授。ヘーゲルやハイデガーの存在論哲学の研究から出発、ジャック・デリダの指導の下で執筆した博士論文(『ヘーゲルの未来―可塑性・時間性・弁証法』原著1994年刊行)で取り出してみせた「可塑性」の概念を軸に研究活動を展開。2000年代以降は“脳”への関心を強め、現代神経科学の成果に照らして脳の「可塑性」の意義を分析しつつ、「物質的なもの」にもとづく精神哲学の可能性を探究している
平野徹[ヒラノトオル]
1967年生まれ。ストラスブール大学哲学部修士課程中退。仏語翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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34
PukaPuka
またの名
9684
はすのこ