1★9★3★7(イクミナ) (増補版)

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  • サイズ B6判/ページ数 403p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309247526
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0036

出版社内容情報

ニッポンジンはなにをし、なにをしなかったのか。記憶の墓をあばけ!戦後思想史上、最大の問題作を増補して刊行。

【著者紹介】
1944年生まれ。著書『もの食う人々』『自動起床装置』『いまここにあることの恥』『抵抗論』など多数。

内容説明

おどろくべき「獣性」と「慈愛」をつないだ天皇。閉じられた記憶の墓をこじあけたら、おどりでてきたものとは?歴史にわだかまる大いなる恥と責任を体内深くに問い、「1★9★3★7」から今日まで連綿とつづく「ニッポンの妖気」を射る―戦後思想史上、最大の問題作!

目次

序章 よみがえる亡霊
第1章 屍体のスペクタクル
第2章 非道徳的道徳国家の所業
第3章 かき消えた「なぜ?」
第4章 静謐と癇症
第5章 ファシストと「脂瞼」
第6章 過去のなかの未来
第7章 コノオドロクベキジタイハナニヲ?
終章 未来に過去がやってくる

著者等紹介

辺見庸[ヘンミヨウ]
1944年宮城県石巻市生まれ。70年、共同通信社入社、北京特派員、ハノイ支局長、編集委員などを経て96年退社。この間、78年、中国報道で日本新聞協会賞、91年『自動起床装置』で芥川賞、94年『もの食う人びと』で講談社ノンフィクション賞を受賞。他に詩文集『生首』(2011年、中原中也賞)、詩集『眼の海』(12年、高見順賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chanvesa

23
戦争の加害の面を自分自身の問題に取り込めるかということは、辺見氏も苦闘しており、読み手にも苦闘を強いる。その意味で実につらい読書となる。小津安二郎の戦争への意識(193頁~)、辺見氏の阿川弘之氏との対決の場面(261頁~)、丸山真男氏への吉本隆明氏の批判(336頁~)の三つの場面が自分自身への戦争の問題としての取り込みにとって考えさせられる。わたしの死んだ祖父は戦地に行った話をし始めると途中から泣き出した。辺見氏のように何回か、戦地で何をしたのかを聞き出そうとしたが不可能であった。感情と絡むことの複雑さ。2016/09/11

ジョナ

7
日中戦争に突入し南京大虐殺が行われた1937年。本書は、小説「時間」を話の縦糸にして、書き手・辺見庸の私記を横糸にして綴られる。しばらく読むと、つま先が熱をおび、関節は固まり、頭が冷たくなった。数字という記号に誤魔化され、忘却されたひとりびとりのことを想った。戦争責任への「そらっとぼけ」を暗黙のうちに受容してきたヌエのような戦後社会を想った。吐き気がした。ふいに嗚咽がこみあげてきもした。それでも読まずには済まされなかった。そして、知らずには済まされないことが、知らずに済まされてきた70年を思った。2016/07/08

ZUSHIO

2
頭痛や目眩がするほど読むのがつらくなる本でありながら、人としてこの本を読破せねばならないという義務感から、ページを繰る手が止まることはなかった。 映画『日本鬼子(リーベン・クイズ)』を観たときに近い衝撃。人はここまで残虐になれるのだという真理。 そして、かの戦争から何一つ進歩していない日本。2020/12/02

shouyi.

2
1937年は南京大虐殺のあった年である。そんなものはなかったと私たちはいつのまにか信じるようになってしまったのではないか。いつのまにか私たちは、この戦争の加害者から被害者になってしまった。そして現在また戦争の道を歩もうとしている。「戦争なんて簡単だ。」と辺見さんは言っている。悪い方向に向かっていると空気は感じるが、まさかと思っているのは楽天的だとひしひし感じた。2018/11/03

犬吉

2
読みは始めると、途中でやめられなくなってしまった。感想はまだかけない。いつか自分の中で消化して、書けるようになるかどうかも分からない。2017/07/03

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