戦争と一人の作家―坂口安吾論

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戦争と一人の作家―坂口安吾論

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309247502
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0010

出版社内容情報

安吾を徹底的に読み直すことでその限界をあきらかにしながら、あらゆる安吾論を葬りさり、文学と思想の本質にせまる決定的な論考。

【著者紹介】
1973年青森県生。哲学者・理論宗教学者・作家。東京大学文学部卒業、同博士課程修了、博士(文学)。主な著書に『定本 夜戦と永遠』(上・下)『切りとれ、あの祈る手を』『九夏前夜』『踊れわれわれの夜を、そして世界に朝を迎えよ』他多数。

内容説明

君はもう堕落している。「戯作」を求めた作家・坂口安吾はなぜ特攻を賛美したのか―?あらゆる安吾論を無に帰しながら“現在”を撃つ、かつてない思想の雷撃。「爆心地の無神論者―『はだしのゲン』が肯うもの」収録。

目次

戦争と一人の作家―坂口安吾論(ファルスの定義;初期ファルスの実際とその蹉跌;「吹雪物語」へ;「吹雪物語」の挫折;「文学のふるさと」と芋虫の孤独;「イノチガケ」―合理主義と死;「紫大納言」から「桜の森の満開の下」へ、そしてその彼方へ―消滅のカタルシス;安吾の文体論―「文章のカラダマ」の「必要」;イノチガケの特攻―「日本文化私観」と「特攻隊に捧ぐ」;堕落・政治・独創―「堕落論」「続堕落論」再考;戦争と美と一人の女と;ファルスの帰結―明日は天気になれ、もう軍備はいらない)
ゲン、爆心地の無神論者―『はだしのゲン』が肯うもの

著者等紹介

佐々木中[ササキアタル]
1973年生。作家、哲学者。東京大学文学部思想文化学科卒業、東京大学大学院人文社会研究系基礎文化研究専攻宗教学宗教史学専門分野博士課程修了。博士(文学)。現在、京都精華大学准教授。専攻は現代思想、理論宗教学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

85
安吾が語る「ファルス」の定義、そして彼自身の作品はその「ファルス」たりうるのかを論じていく。安吾作品・評論の引用から、批判的に論じるのだが、個人的にいまいち評価しずらい安吾作品の読み方に唸り感心。いろいろ頷ける考察があり、徹底したテキスト重視の評論の仕方に面白さを感じた。安吾への愛であろうが、容赦なく追い詰める姿勢の誠実さと徹底した解読のキレよ。いくつかの作品を読み返したいと思った。良書。おまけで、「はだしのゲン」を論じる講演の書き起こしがついている。ごく短いが、するどく、この著者の持論が出ている。2018/07/29

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

72
これは良い本を読んだ。近頃坂口安吾に熱を上げていた私には冷水を浴びせられた思い。坂口安吾を読んでいれば、安吾ファンにも薄々感じられる違和感がある。それをなるべく知らん顔して読み続けている。しかし佐々木中は安吾作品を(全てではないが)「多量の駄作」と評する。坂口安吾という人が好きでないと楽しめない、どころか通読できない作品がある。坂口安吾全集の1~2巻なんてまさにそれだ(3巻ぐらいから面白くなってくる)。我々安吾ファンは『日本文化私観』にちらつく戦争への協力的な影を見ないようにしていなかっただろうか?。2019/10/30

nbhd

18
マイフェイバリット坂口安吾の像がガラガラと崩れていく刺激的な本だった。初期の安吾は、世界を肯定し、自身も含めてメッタクソに笑いとばす「ファルス」という文学のあり方を堂々宣言してたのに。そんな安吾がナゼ特攻隊を賛美するに至ったか?がテーマ。言ってた事とやってる事が違うじゃないの!と、安吾の言葉で安吾を批判する手法で『』『』『』と圧巻の引用爆撃が続く。安吾の特攻隊賛美を「倫理的」に問うのではなく、「自らの文学から離反したこと」を問うところがミソだ。素朴な感想として、安吾のグジャッとした文章を読めてヨカッタ。 2016/07/25

なっぢ@断捨離実行中

6
これは現時点における佐々木中の最高傑作ではないか。自らをも含め世界を笑うことによって世界を肯定する「ファルス(戯作)」をマニフェストに掲げた安吾によって観客として戦争を眺め賛美した安吾を「それってアンタの文学的立場と矛盾してないか?」と内在的に批判し尽くしていく姿は圧巻。著者特有のぎこちなく気取ったアジテート文体も安吾の文学理念と伴走していくにつれ次第に研ぎ澄まされていき、安吾の可能性の中心をなんとか探り当てんとする文学機械にまで高まっている。2016/12/07

koji

5
佐々木中の文章は癖になります。「切り取れ、あの折る手を」を読んだ時のパワーには圧倒されました。久方ぶりにを手に取った本作品も、冒頭の「安吾の一連の創作の仮定は、(中略)傑作と(中略)駄作をそのつど生み出し、後世へ多種多様な種を撒き散らすことになった。」等言葉の力に圧倒されました。ただ、その後の安吾作品の長い引用と作者の格闘には正直疲れました。しかし数多の作家をさしおいて、今なお人の記憶から消えない安吾作品の不思議な魅力は消えません。どこかでどっぷり浸かるのはいいのかもしれません。佐々木中の導きに感謝します2016/12/02

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