出版社内容情報
常軌を逸脱する運動としてその思考を描き政治性/革命性を甦せる「ドゥルーズ以上にドゥルーズ的」と言われるドゥルーズ論の決定版。
【著者紹介】
晩年のドゥルーズに学ぶ。『無人島』『狂人の二つの体制』の編者。ウイリアム・ジェイムスを研究。
内容説明
すべての根拠を無化する無底=砂漠の哲学としてのドゥルーズの核心からその全軌跡を凝縮させて非人間的な“外”を開く思考の戦争機械。
目次
常軌を逸脱する運動
大地の問い
根拠の循環
三つの綜合(あるいは「なにが起こったのか」)
帰結―超越論的経験論
倒錯者と分裂症者
分裂即自然
大地のトリアーデ
民衆と人祓い
モナドを引き裂くこと〔ほか〕
著者等紹介
堀千晶[ホリチアキ]
1981年生まれ。早稲田大学文学学術院助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Keisuke
11
愛弟子のドゥルーズ論ということで、とても読み応えがありました。ドゥルーズ関連の書を読むと魅惑的な言語や概念群にどうしても酔ってしまう。そこが面白いです。その概念のひとつひとつを自分のものにしたくなる欲望に駆られます。2015/10/09
34
9
僕が読んだかぎりではドゥルーズの研究書のなかで一番よかった。2022/04/11
はすのこ
5
実に分かりやすく書かれたドゥルーズ論だ。僕の意見とも一致する。ドゥルーズは運動の哲学者だ。終盤に限界についての記述があるが、その部分の描写の見事さは素晴らしいとしか言えない。ドゥルーズが好きなら、読むべき内容である。なにせ分かりやすい。分かりやすさ、とは素晴らしい概念である。2017/02/25
かんちゃん
3
ドゥルーズの解説本の中でも白眉。内容は主に『千のプラトー』に焦点をあてたものになっているが、各概念を切り分けつつ、実践的な意味のあるドゥルーズ解読を行おうとしている努力が各所に出ている。後半にいくにつれて、(ドゥルーズの著作がそうなっているので)抽象度が上がっていく感があり、「光」や「砂漠」のイメージはなおつかめないままではある。『シネマ』等を読んでから、再び戻ってきたいところ。2016/04/08