私が語り伝えたかったこと

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  • サイズ B6判/ページ数 225p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309246536
  • NDC分類 146.04
  • Cコード C0011

出版社内容情報

臨床心理学を日本に根付かせた河合先生の残したエッセイ、講演、インタビュー。こころの育み方の実際的なヒント満載。

内容説明

これだけは残しておきたい。弱った心をなんとかし、問題だらけの現代社会にこころゆくまでの処方箋を。臨床心理学者からのラストメッセージ。

目次

未来への記憶のつづき
アイデンティティの深化
子どもの心と現代の家庭
これからは父親の出番
日本の教育の底にあるもの
“教師の力”いま、求められるもの
やらねばならないことは好きになってみせる
こころの自然破壊を防ぐ
夢の中の「私」
私の養生術
日本の心と文化
かくて「般若心経」は、現代人の心を癒す
現代人と宗教―無宗教としての宗教
音とこころ

著者等紹介

河合隼雄[カワイハヤオ]
1928年、兵庫県生まれ。心理療法家。京都大学理学部卒業後、高校教師になるが、教育問題を契機に心理学を志し、京都大学大学院、アメリカのカリフォルニア大学で臨床心理学を学び、62年にはスイス・チューリッヒのユング研究所に留学。日本人としてはじめてユング派分析家の資格を得る。75年から京都大学教授、95年から国際日本文化研究センター所長などを歴任。2002年、文化庁長官(~07年)。紫綬褒章受章、文化功労者顕彰。2007年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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もちもちかめ

20
図書館。文化庁長官の頃の貴重なインタビューあり。こんなものすごい大巨人の大先生でも政治の中枢の伏魔殿に入って毒と瘴気にやられてしまったと思ってるので、インタビューもハラハラ。でも一貫して凜として美しく現実のその先を見ておられる。失敗してもいい、家族なんか壊れるもの、それをなおしなおしおっかなびっくり維持するもの。理想の楽しい家族なんか、あるものか。あったらそれはまやかしの偽物だ。いつもいつも、私が行き詰まって大変で心が折れそうなとき、河合隼雄先生のご本を手に取るようになっているのかも知れない。有難く読む。2021/02/11

kana

9
宗教に対する姿勢に共感できた。上手く言葉にできずにいたことを分かりやすく解説してくれていて流石だと思った。宗教とは神秘的な存在や出来事を通して世界と自分が関ること。しかしそこで宗教団体に所属してしまうと、圧力が生じて世俗と変わらなくなってしまう。特定の宗派にこだわらず、宗教性を深めることが重要との意見が、今の自分のやり方を肯定してくれているようで嬉しかった。また、最後のぺリクリーズの物語がとても好き。河合先生はやっぱり良いお話をたくさん知っている。2017/05/22

ムーミン

9
今解決できないまま大きくなっている教育の諸問題。随分昔から河合先生が警鐘を鳴らしていたことだよな。2016/12/10

まゆまゆ

9
もと文化庁長官で臨床心理学者である筆者の回顧録。アイデンティティーの話も良かったが、やはり教育の話がスッと府に落ちる。子どもが本来持つ「生きる力」を忘れて親が先取りして施してしまうことで、子どもは考えなくなる。親は個性が大事だと言いつつ、実際に与えようとしているのは「身分」である。教育を変える前に必要なのは大人の意識改革である。など、どれも耳がいたい。2014/06/17

miho

4
インタビューや講演で語られたことをまとめたものなので、内容がすっと入ってきてわかりやすい。ほんとのインテリというのは河合さんみたいな人のことをいうのだろうなあと改めて感じた。日本人の宗教観や倫理観、教育についての話が特に興味深い。強い父親など昔から存在しなかったんだという話にはとても共感した。2015/04/23

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