内容説明
どの仕事の先にも、かならず人間がいる。わたしたちの働きの意味や質はその“人間”が、どんな存在として見えているかに懸かっている。技術もやり甲斐も、そのあとをついてくる。働き方研究家の著者が、いまデザインを通じて考える“仕事のあり方”。
目次
第1章 自分は(ここまで出来たと;無数の小舟が海を渡る時代;出来ることを形に ほか)
第2章 なんのために働くのか(教育―どんな人間を?;“自分たち”の仕事をつくる;全体性の回復 ほか)
第3章 出会いを形に(生きてゆくためには;“関係”は自分のものではない;共に生きてゆくために ほか)
著者等紹介
西村佳哲[ニシムラヨシアキ]
1964年、東京生まれ。武蔵野美術大学卒。建築設計・計画の仕事を経て、つくること・書くこと・教えることなど、大きく三種類の仕事に携わる。リビングワールド代表。多摩美術大学をはじめいくつかの教育機関でデザイン・プランニングの講義やワークショップを担当。働き方研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
baboocon
11
西村さんの本は、感想が書きづらい。明確で安直な答えを提示してくれるわけではないから。デザインの仕事が、たとえばそれによって大量生産大量消費のための道具になっていることに違和感を覚え、自分の仕事は「なんのため?」という根源的な問いを立てる。日々の生活のために、お金のために仕事をするというのは否定できないとしても、その対極にあるような「仕事の意味」と向き合い、より自分にとって意味を実感できる仕事を創ってきた人たちがいる。そういう人たちの生き方をみるにつけ、自分の仕事ってなんだろう、と考えさせられる。2016/02/14
タペンス
4
デザインの専門的な話多めで、全体的に?だった。もうちょっと、デザイン分野で働いているわけではない人にも分かりやすく書いてくれれば、この人の本はもっと売れるんじゃないだろうか。2020/11/10
彩灯尋
4
「身の振り方を決められない、自分が何をしたいのかがわからない人は、自分が必要とされた経験がないので仕事をする意欲がそもそも湧かない。その答えを他人から仕入れるように獲得してしまう」本当これ。何がやりたいのか、何ができるのかわからないままここまで来てしまった。自分と向き合う時間はとってきたつもりだったけれど、つもりなだけだったのかな。自分のできることを見つけられた人を羨ましく思う。2017/06/10
doji
3
あいかわらず西村さんらしい誠実なつくり。デザインから敷衍して仕事論にはなしはひろがっていくのだけれど、具体的なはなしとひろいはなしのバランスがよく、とくに答えも提示しないのもいい。いっしょに考えていこうとする本だ。2016/01/02
Nayuta Kohama
3
仕事への関わり方を考えされられます。デザインの意味とはをもう一度確認した。2013/11/18