自己愛過剰社会

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  • サイズ B6判/ページ数 385p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309245768
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C0011

内容説明

つねにインターネットで自分をアピールし、セレブをもてはやし、美容整形にはまる…「個性的になれ」「特別になれ」と謡い上げる風潮は、社会になにをもたらすのか?モンスターペアレントやいじめ、無差別殺人事件を生み出した自己愛病の原因と治療法を心理学者が解く。

目次

第1部 自己愛病の診断(自己賛美は万能薬か;自己賛美の弊害とナルシシズムの五つの俗説;ナルシズムで競争社会を生き延びる?―ナルシズムのもう一つの俗説;いつからこんなことになったのか―自己愛病の起源)
第2部 自己愛病の原因(王様の子育て―甘やかしの構造;病気をばらまく困った人々―セレブリティとメディアのナルシシズム;見て、見て、わたしを見て―インターネットで注目集め;年利18パーセントで夢の豪邸―放漫融資、そして現実原則の放棄)
第3部 自己愛病の症状(アタシって、セクシー!―虚栄;暴走する消費欲―物質主義;70億のオンリーワン―個性重視;有名になれるならなんだってやる―反社会的行動;甘い罠―人間関係のトラブル)
第4部 自己愛病の予後と治療(自己愛病の予後―どこまで、そしていつまで、ナルシシズムは広がるのだろう?;自己愛病の治療)

著者等紹介

トウェンギ,ジーン・M.[トウェンギ,ジーンM.][Twenge,Jean M.]
サンディエゴ州立大学の心理学教授。シカゴ大学を卒業後ミシガン大学で博士号を取得

キャンベル,W.キース[キャンベル,W.キース][Campbell,W.Keith]
ジョージア大学の心理学教授。カリフォルニア大学を卒業後、サンディエゴ州立大学で修士号を取得し、ノースカロライナ大学で博士号を取得

桃井緑美子[モモイルミコ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

funuu

19
アメリカをはじめとして世界中で外見重視の風潮が強まっているのは、一つにはテレビの力が大きい。テレビ討論で若いジョン、F、ケネディが疲れた顔のリチャード、ニクソンに勝利した日から、アメリカ文化は年を追うごとに容姿を重視するようになった。この本でナルシストの第一人者と描かれているトランプ氏が大統領となった「2011年日本出版」。先進国のテロも豊かになったナルシストの人々の関与が大きい。過去にはローマ、オランダ。私も含めて日本人は既に伝染している。2017/09/09

eirianda

11
耳が痛い。すでに物質主義に塗れ、集団とは関わらないように努力してる。集団って地域とかPTAの類いですが…。結構、日本の場合、強制的に均質になろうという集団社会が、個性を殺してきたように思うのだけど。教育者が個性を重要視するクセに、根っこは空気読むとか、連帯責任とか、学校現場では残ってて。で、バーチャルではSNSで自撮りも自己愛の塊でウンザリ。ツイキャスとかペリスコープで自分を晒すのも痛々しい。誰にでも自己愛はあると思うので、利己的にならないように気をつけよう。衣食住足りて感謝です。2015/08/07

ぐずぐず

7
親が子に「あなたは特別な子供なんだよ」と伝える時、それは「私たち(親)にとって特別」なのであり、全ての人が「誰かにとって特別な人」である事を教えなければならない。 この本に描かれているアメリカの現状は、近い将来の日本の姿でも有り得る。 金持ち・セレブ礼賛、突拍子もない子供の名前、自分の権利ばかり主張し他人の気持ちを顧みない人の急激な増加等々、全く他人事ではない。 マスコミの人達と子育て中の親御さんには、是非この本を読んで頂きたい。2015/04/10

midnightbluesky

7
常に主張することで存在意義を問われるアメリカ特有の“私という病(by中村うさぎ)”が自己愛過剰の果て。では、日本人には無縁なのか?というとそうではなくて、SNS上での“リア充”ぶり自慢で自己愛過剰蔓延の兆し。へりくだりつつ、自慢するというアピール=自慢への勘違い傾向増加を予言。2013/10/27

アドソ

6
これはもっと話題になっていい本。アメリカで蔓延しているナルシシズムは人類社会を崩壊させる。そして同じ兆候はすでに日本にも。ただし日本では古来からのメンタリティと相俟ってややゆがんだ形に表出しているように思う、『もともと特別なオンリーワン』なんて歌われ始めたころから…。いじめ、引きこもり、新型うつ、ゆとり世代、こういうのはみなナルシシズムをキーとして理解できそうな気もした。2012/08/24

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