内容説明
権力は、自らに都合の悪い情報を隠す。マスコミは、権力が発表した情報をそのまま伝えるだけ。私たちは、そういった権力とマスコミの実態に気づきはじめている。警察・検察・裁判所、そして東日本大震災と原発事故報道…隠された事実を知り、ダマされないための事件ニュース読解術。
目次
第1章 報道は権力で決まるのか
第2章 警察とマスコミの奇妙な関係
第3章 市民が人を裁くということ
第4章 死刑についての逡巡
第5章 身勝手な警察と横暴な検察
第6章 権力報道の舞台裏
補章 日本という国が揺れた日
著者等紹介
大谷昭宏[オオタニアキヒロ]
1945年東京生まれ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒業。読売新聞大阪本社入社。以後、第一線の事件記者として活躍。87年に同社を退社し、故・黒田清氏とともに「黒田ジャーナル」設立。黒田氏の死去にともない、個人事務所「大谷昭宏事務所」を設立し、新聞・テレビなどでジャーナリズム活動を展開
藤井誠二[フジイセイジ]
1965年愛知県生まれ。高校在学中からさまざまな社会運動に関わり、高校卒業後、フリーライターとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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林 一歩
31
誤った情報を断定的に語る事が事実になり得る事を分かったうえで語り倒している事に立腹。脳の血管が切れるかと思ったくらいに苛ついた。久しぶりに本読んで一人で怒り狂った。年末に気分悪い。2013/12/27
壱萬弐仟縁
26
大谷氏によると、警察は信頼関係のない記者に 情報を提供しない(26頁)。 光市母子殺害事件の本村洋さんは、 弁護士会と対立し、 会見はホテルでおこなわれたという(32頁)。 ということは、明日の弁護士との 相談も、注意して接しなければならない。 修復的司法は、被害者が加害者を許す ようなシステムだが、被害者が怒りだす(107頁)。 そりゃそうだ。 加害者が被害者ぶるのも許せないし、 加害者が「もう終わったことだ」と 勝手な幕引きをのたまうのもおかしい。 2014/05/06
tetsu
19
★3 ジャーナリストの対談。 犯罪者の更生の問題や死刑廃止の是非をめぐる議論、311東日本大震災と原発事故の報道などの話題について話している。 どれも非常に良識的ではあるが表面的な印象。テレビではなく本という媒体を生かした深い突込みがほしかった。2016/02/20
ラグエル
10
報道だって、主観でしょ。警察だって、裁判だって、主観でしょ。それぞれ立場ってものがあってさ。利害ってものがあってさ。それがないほうが不気味じゃんか。何言ってんのさ。2014/03/09
さき@merry
9
他の方も書かれているが、タイトルから期待して読むと、恐らく裏切られる。冤罪防止や検察の横暴さについてあれこれ言ってるにも関わらず、「~は死刑に値する罪を犯した」などと言っていて呆れた。マスコミは自分が正義だと思っているんだなということがよく分かった。2018/03/16